【魔入間】アンラッキーを添えて【オリアス・オズワール】 (ページ11)

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ヒ「なんかあったんだろ、」

そう言いながら背中を向ける彼女のかわいらしい猫耳は、

彼女の体の向きとは反して私のほうに向いている。

彼女は興味ない風に装いたいようだが、

様子から見るにその本心は私の言葉を待っているようだ

話聞くよ、とか相談していいよ、とか一切言ってない

のにも関わらず、

無言で話せよという圧を感じるのは気のせいだろうか

否、気のせいではない

だって、彼女は

本当は不器用で心配性な、

とてつもないツンデレなのである。

(うーん、かわいい、、、。

お耳がこっち向いちゃってるよ～、心配してくれてるなぁ

はぁ～ほんと今日も推しがかわいい)

同僚を推しにするのはどうなんだ、と言われそうだけど

そんなものは気にしない

だって、かわいいんだもん仕方ないよね

『えへ～、癒されたら悩みもすっとんじゃった！

ささっ！お仕事再開するぞ～』

ヒ「…はあ？意味わかんねぇよ」

『ごめんって！って、痛ったぁあああ！！』

メメのおかげで気持ちの切り替えができたため

席を立って歩きだそうとしたら机の角に足の小指をぶつける

その地味でも恐ろしい(※大げさ)痛みに思わずしゃがみこんで叫んだ

「相変わらず、運ねえな」と引き目で見るメメが

こちらに振り返って私を上から見下ろす

ヒ「…ほんとに、大丈夫なの？」

『え、どっちが？ため息の原因？それとも小指？』

ヒ「いや運がないのはいつものことだから、小指はどうでもいい」

痛みで震え声になりながらメメを見上げると、

ばっさりと切り捨てられるようにそう言われる

小指も痛かったんだけどなぁ、とあえて告げると

少しめんどくさそうに小指の心配もしてくれた

(一見めんどくさそうに振舞ってるけど、ほんとに優しいんだよね

やっぱメメは癒しだなあ。)

『メメ、ありがとうね』

素直にお礼を言うと、メメは一瞬目を見開いて、

照れたのか、また顔をそむけた

でも私が大丈夫ということは分かってくれたようで

普段あまり変わらないその表情が、すこしだけ微笑んでいるのが見えた

ダ「やぁ！調子はどう～？」

この悪魔(ヒト)が、現れるまでは