【魔入間】アンラッキーを添えて【オリアス・オズワール】 (ページ1)

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プロローグページ1

昔から、なにかと運がなかった

ハズレありのくじを引けば、絶対にハズレを引くし

推しグッズを買いに行けば目の前の人でちょうど売切れるし

常備してる折り畳み傘を置いてきてしまった日に限って大雨が降るし

こんな不運に見舞われながらもうまく生きてこられたのは

不幸中の幸いか、周りの人に恵まれたからだろう

不幸体質も、長年つきあえばそれが"普通"として慣れてくるし

このまま当たり前の生活が続くと思っていた

「だからね、継いでほしいの。急でごめんね？」

『…、は？』

目の前に、"悪魔"と名乗る大きな翼を広げた、

私の姉を名乗る者が現れるまでは。

ー－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

オ「…手、止まってるけど？どうかした？」

『…え？、あぁ、いやなんでもない。

ちょっと昔の思い出に浸ってただけ。』

ここは悪魔たちのあこがれの居住区、

教師のみが入れる気高き文化財である悪魔学校(バビルス)教師寮

の中の彼の部屋である。

彼、というのはこの隣に不思議そうな顔で私を覗いてる男

オリアス・オズワールのことだ。

誇り高き悪魔学校(バビルス)の教師で、

とても強い高位階(ハイランク)の悪魔

には見えないほど、当の本人は現在完全オフモードであるが。

－－ぴろろろろろろろ－－

『あ、ミスった、、、。』

オ「…考え事してるからでしょ。」

機械音が切なく鳴り響いた

暗くなった画面にはYOULOSEの文字

そう、私が今しているのはテレビゲームである。

なぜ私がここの部屋にいるかはいたって単純

互いにネトゲ廃人仲間であり、

オフに二人でゲームをして遊んでいるのである

(…少し前まではこんな風になれるなんて、思ってもみなかったなぁ)

戻ってしまったセーブ画面を見ながらしみじみと考えて

目線に気づかれないように彼を見る

彼はテレビゲームではなく魔ウィッチでぴこぴこと遊んでいる

家系能力オンの時とは全く違う彼の様子は

普段より幼くかわいく感じるのは気のせいだろうか。

はたまた、気づきたくなかった彼に向けるこの好意(気持ち)が

そう私に感じさせるのか。

私にはいまだに理解できずにいる

(どうか、この気持ちに気づかれませんように)

私はただそれだけ祈って、またゲーム画面に目を向けた

＜ヒロイン確認＞

第1：サタナキア・ナル

第2：ヒュール・メメ