【魔入間】アンラッキーを添えて【オリアス・オズワール】 (ページ6)

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オ「えなに？体調悪いとか？」

『いや、そういうわけではまったくなくて！』

割とガチめに心配してきたオリアスに全力で違うよと手を振る

どうやらそこは信じてくれたようで、

「ならよかった」と眉を下げながらやさしく微笑まれる

その表情も絵になってしまうのだからきれいすぎて本当に困る

(こんな優しさ見せられたら、なかなかこの恋も終われないもんだ)

普段からオリアスを囲んでいる女子生徒たちの気持ちが、

今ならよくわかる。

遠い存在でも、諦められない気持ちも、

それだけ夢中にさせるオリアスの魅力も。

まぁ普段の彼は、オフモードの今とはまったく別人のようだけれど

罪な男だなぁ、なんて思いながら部屋から出ようとドアに向かった

オ「ちょ、待って、いったんストップ」

『え、うん、なに？』

慌てたように立ち上がったオリアスが

ドアの目の前で止まっている私に声をかける

何かと思ったら、出入り口まで送っていくとのことだった

『え、いいよ、悪いし！ゲームしたいでしょ？』

オ「いやまあゲームは後でするけど、、ここ男子寮だぞ？

…ここにいること自体が危ういっていうのに(小声)」

『え？なんて？』

小声でうまく聞き取れず、聞き取ろうとオリアスに近づく

それに気が付いたオリアスは

慌てたように「それに！」と人差し指をあげて言った

オ「お前、絶対迷子になるだろ？」

『…うっ、、、、それは、、、。』

うん、否定しきれない。すごく不甲斐ないが。

図星すぎて表情を隠すことすら忘れて苦笑いする

そう、私はとっても方向音痴なのである

不幸体質と同様、これだけはいくら治そうと思っても治せなかったものだ

とはいっても休みになればここにゲームしにきているから

そろそろ覚えてきたとは思いたいのだが、、

なんといってもここは教師寮

誇り高き文化財だからこそなのか、無駄に大きくて広いのである

さすがにこの広さはどうかしてる、なんて考えながら

素直に彼の厚意に甘えることにした

(まぁ一回迷子になった時、トラウマもんだったしなぁ)

なんて前の迷子になった時を思い返していたら

なんだか悟られたのか、彼はにやりと笑った

オ「前に迷子になった時は、マルバス先生の部屋見て絶句したんだっけ～？」

『うっ、、、あれはもう思い出したくもないくらいえぐかった…』

それはもう言い表せないほどの地獄で。

そんないやな記憶を思い出して軽くため息が出た