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人間 ページ18

あれから、彼の急な爆弾発言を経て、


私は彼を強制的に空き教室へ連行した。



急いで空き部屋の許可を取って立ち入り禁止にする



連行している時彼は慌てたように逃げ出そうとして必死だったけど


慌てて必死なのはこっちも同じだった




ただ連行後にはっと気が付く



もしかして、なんだけど




空想生物学の"人間"について知りたかっただけでは…?





(やらかした…、自分が人間の血があるってバレたのかと、、、)





冷静さを欠いて慌てて連れ出してきてしまった


なんて言ったって人間について聞かれたのは、初めて



大体授業の質問なら、担当の教員か担任に聞くだろうし


私は空想生物学の授業は受け持ったことがないし


そんなこんなで人間について聞かれたことなんて、今までなかったのだ




そんな中、授業の始まりのチャイムが鳴る


連れ出してきてしまった入間君は、


それも聞こえてないほどガタガタと震えているけど




『っ!入間君、急に連れ出してきちゃってごめんね?

お昼からの授業って、何だったかな?』


イ「え!?えっと、ダリ先生の、魔歴です、、」




よりによってダリ先生か、と


内心ぐっとダメージを受けながら表情に出さないよう笑顔を取り繕う




(いやまあ、カルエゴ先生とかよりマシか、、、)




後の説明にめんどくさくなりそうな先生を思い浮かべて安堵する


まあダリ先生も、ある意味でめんどくさいんだけども。



でも安堵している場合ではない


彼の真意を確かめなければいけないのだ





『人間について、だったよね?急な質問にびっくりしちゃった。

もしかして、空想生物学で疑問に思ったのかな?』


イ「えっ?あ、"はい!"

えと、"空想生物学で、疑問に思って…!!!!"」





(えええ!?!?嘘ついてるんだけど!?!?!?)






私はまた驚いて冷や汗をかく


オウム返しのように私の言葉を言う入間君は確かに嘘をついている


どうしてまた嘘をつくのだろうか



まさか本当にバレたとか!?


いや、どうやって?


まだ学生の彼が、


先生(おとな)でさえあまり知られていない人間の情報を!?






(いや、持っているはずがない…

でも、確かめないと。)





『…入間君、あのね』




そう言って彼に向き直る





『入間君は、人間ってどこまで知ってる?』


「え!?えーっと、"授業で習った程度ですかね、、、?"」




あはは、と笑う彼


そんな彼の"嘘"を、私は見逃せない

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作者名:らむねるねるね | 作成日時:2023年1月25日 22時

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