勧誘 ページ34
「うーん、なるほど。主従契約かぁ」
あの後、必死でこれまでの経緯を説明をした。
彼らの主人として、彼らを祓わせるわけにはいかないから大変だった。
「それはさておき。君、術師の教育は受けてないんだよね？よかったら高専に来ない？」
・・・えーと。
「ああ、それいいですね」
「せっかく呪霊が見えるんだったらそれもアリでしょ。どうかな？」
ちょっと待ってくれ。
思考が追いついてない。
伏黒くんも当たり前のように同意しないでほしい。
『そもそも、私“高専”とやらを知らないんですけど・・・』
「・・・あれ？」
まだ一回も説明されてないのに、そこに入れとか無理がある。
そっちの常識で喋らないでほしい。
「ごめんごめん。一から話すよ」
虎杖くんを地面において、五条さんは話し始めた。
「高専、正式には東京都立呪術高等専門学校。人口増加に伴って爆発的に増加した呪霊に対抗するため、呪術師のたまごを育てる学校だよ。呪いについて学んだり、呪霊の祓い方を習得したりするんだ」
「ほう、我が国にも似たようなものがあったな」
呪術師の教育、か。
確かに大切なことだと思う。
私は今まで何も出来なかったから。
「呪霊が見える人は少数派だから、高専は東京と京都に二つしかない。生徒数も少ないから、すぐ仲良くなれると思うよ」
その二つだと、ここから近いのは東京・・・
あの嫌な感じが蘇ってきて、思わず口を歪める。
京都とて、人口は多いのだから同じことだろう。
でも、ここで何もしなかったら、私は一生呪霊の悪行を見逃し続けるのだろうか？
目の前で死んでいく人をただ見ているだけだった昔の記憶がフラッシュバックする。
ヒーローになりたいわけじゃない。
むしろヒーローに救われる側の人間がいい。
でも一番手っ取り早いのは、呪霊が何かをする前に消してしまうことだ。
それができたらいいとどんなに思ったことか。
今、私の前にはその選択肢が用意されている。
『・・・考えさせてくれますか』
「うん、いいよ。人生を変える選択だ。じっくり考えてね」
高専に行けば、必然的に呪いと遭遇する機会は増えるだろう。
私はまだ、それが怖いのだ。
それに、皆とも話し合わなければいけないし。
『あっそうだ、虎杖くんは』
「こっちで預かることになるけど・・・大丈夫、勝手に殺したりしないよ」
恵も言ってたことだし、と五条さんが伏黒くんにウインクする。
伏黒くんの心底嫌そうな顔に、ゾムさんが吹き出していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 768人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - フラッペさん» コメントありがとうございます！嬉しい言葉をありがとうございます。只今執筆が遅れている状態ではありますが、続編の方も気長にお待ちいただければ幸いです。これからもこのシリーズをよろしくお願いします！ (2022年2月7日 9時) (
レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 初めて見ましたが余りの面白さに一気見をしてしまいました！！この後の、登場人物の動きがすごく気になります。作者さんのスピードで更新していただけると幸いです！これからも応援しています！！！ (2022年2月6日 23時) (レス) @page50 id: 95d319f9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ネズミ?(プロフ) - ソーダ@炭酸檸檬さん» 分かりました。返信ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年1月14日 18時) (レス) id: 7eb719262b (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでいただきありがとうございました。下に書いた通り、話が出来上がり次第パスワードは外しますので、それまでお待ちいただけると幸いです。今後もこのシリーズをよろしくお願いします。 (2022年1月14日 8時) (レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ@炭酸檸檬(プロフ) - ネズミ?さん» コメントありがとうございます！この作品を閲覧いただきありがとうございます。続編はまだ執筆が進んでいないので、話が出来上がり次第パスワードを外します。それまでお待ち下さい、すみません。今後もこのシリーズをよろしくお願いします。 (2022年1月14日 8時) (レス) id: e2773ed03f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソーダ@炭酸檸檬 | 作成日時：2021年2月10日 12時
