The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ43)

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轟side

HRも終わったのでいつものようにAに帰ろうと呼びかける。

「A、帰るぞ」

「あ、焦凍ごめん…ちょっと用事があるから先帰ってていいよ」

「そうか」

「うん、じゃ！」

そういうとAは足早に教室を出て行った。

少し寂しさを感じつつもしょうがないと俺も教室を後にしようとしたが隣にAがいないのが何だかもどかしく感じ、少し教室に居残って勉強でもしようと自分の席に座った。

「……っはあ、はあ、轟！！」

ドアが勢い良く開かれた音がしたので咄嗟に顔を上げると上鳴がいた。

「上鳴…どうした」

「明保野チャンが…知らない男に手を引かれて歩いてたんだけど…良いの？！」

「その2人はどこへ歩いて行った？」

「え多分その先にあるのは国語準備室ぐらいだと思うけど」

「そうか、ありがとな」

どうしてか分からないが身体が動いていた。

その男がAの好きな人だったら？恋人だったら？

でも上鳴の手を繋いで、では無く手を引かれてという言い方が引っかかる。

Aの隣にいつもいるのは俺であって欲しい。

いや俺でなければダメだ。