The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ41)

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41 夕方と保健室ページ41

「クッソ…！」

「うっ…」

爆豪君を持ち上げるも爆豪君は爆破で右往左往に移動しようとする為、動きを抑えて浮かせるだけで精一杯だ。

私の力には1日使える上限がある。

障害物競走、騎馬戦、1回戦と使ってきている為フルパワーで臨む事が出来ない。

「オラァーー！！」

爆豪君は遂に私の縛りを破り私目掛けて思いっきり爆破をした。

・

「目ェ覚めたか？」

「……え…？」

気が付くと私は保健室のベッドの上にいた。

視界の先にはもう既に夕方になり西日を浴びた焦凍の顔があった。

「なん…でっ…体育祭は？私どうしちゃったの？」

「力の使い過ぎで倒れたんだ」

「そんな…優勝は？」

「爆豪だ」

「そっか…」

焦凍から目線を外し布団を見つめた。

泣いちゃダメだと思っていても喉の奥がじんわりと熱くなり目から涙がこぼれ出した。

「私、焦凍にいつも頼ってばっかだから…強くなりたいって思ってたのに…またダメだった…」

「そんなことねえお前は、お前は俺の傍にいるだけでいい俺がお前を一生守るから」

焦凍がゆっくりと私を抱き締めた。

夕方の静かな保健室に私の嗚咽混じりの泣き声と2人の服が擦れる音が響いた。