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5 視線 ページ5
休憩時間中、窓際で友達と昨日見たテレビの話で盛り上がった。
「それでさ、その芸人が──」
「うんうん──」
気の無い返事をしつつふと教室を見回すと一瞬、焦凍と目が会ったような気がしたので全身がひやりとする。
「A？ 聞いてる？」
「ごめん、聞いてなかった！ で、なんだっけ…？」
「も〜、だからその芸人がね──」
焦凍…何でこっち見てたんだろう。
・
いつも通り焦凍と鉢合わせしないように時間を見計らって教室を出ようとすると廊下で先生に止められた。
「あっ明保能！今教室まで呼びに行こうとしてたんだよ、ちょっと来てくれ。」
「あ…はい。」
なんだろう、私何か悪いことでもしたっけ…。と自分の過去の行動を省みていると職員室の先生の机の前には焦凍もいたので何となく呼び出された理由に予想がついた。
「お前ら2人に雄英から推薦が来ている。」
「「はあ……。」」
「え、もうちょっと喜びなよー。あ、推薦されて当たり前だと思ってた？やっぱエリートは違うなあ！」
1人で盛り上がる先生に余計困惑する。
焦凍は…というと相変わらず無表情だ。
「いや〜俺はこんな優秀な生徒を持って嬉しいよ。ま、取り敢えず伝えたから、今日は帰っていいぞ。」
「あ…はい、さようなら。」
「A、一緒に帰らないか。」
「…うん…良いよ。」
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作者名：薫 | 作成日時：2020年8月12日 1時
