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6どうして ページ6
学校からの帰り道、断る理由も思い付かなかった私は焦凍と下校していた。が、やはり無言。
気まずい……。
いつかあの時のことを謝りたいとは思っているがまだ心の準備がついていない。
焦凍は私の事どう思っているんだろう、一緒に帰ってくれるぐらいなんだから嫌い…では無いのかな。
隣を歩いている焦凍を一瞥するとやはり無表情だった。 だが、どこか複雑そうな表情にも見えた。
「お前は……」
「えっ、えっな、何？」
突然話しかけられ心臓が跳ねる。
片方で違う色の冷たい目が私を捉える。
こんなに焦凍の顔を見たのは久しぶりだ。左の火傷跡から痛々しさを感じると同時に幼少期の彼が泣きじゃくる様子がフラッシュバックする。
「…どうしたの…？」
沈黙と冷たい圧力に耐えきれずに聞き返す。
唇が震えて上手く喋れない、心臓の位置がハッキリと分かるほど鼓動が激しい。
「俺の事が嫌いか？」
予想のつかない質問に一瞬頭が混乱した。
元々多くは喋らない人だ、文字通りの意味なんだろう。
「…嫌いじゃないよ。」
「じゃあなんで避けるんだ。」
「別に…避けてないよ…。」
「いや、避けてる。」
焦凍の歩いていた足が止まる。
「俺の嫌な所があるなら言ってくれ。直せる所は直す。 俺はまたAと…また前みたいにに笑って喋れるようになりたい。」
「っ……。」
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作者名：薫 | 作成日時：2020年8月12日 1時
