The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ31)

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31 教室のど真ん中でページ31

「心配おかけしました…。」

数時間が経ち、昼休みに入る頃には私は元に戻っていた。

しかし個性にかかっていた時の記憶は全く無く緑谷君や周りの人の話を聞くと爆豪君相手に抱き着いていたらしく、血の気が引いた。

「明保能さん！戻ったんだね、良かった～！」

「緑谷君…ありがとう」

「いや～相手がかっちゃんだったからずっとヒヤヒヤしてて…」

「そっか、そうだよね。自分でも信じられないよ、でも迷惑かけたことには変わりないからもう1回謝ってく…」

「A」

「焦凍！なんかごめんね、私変になってたみたいで…って、えっ」

私は焦凍にふいに引っ張られた。

そして引き寄せられ私の顔は焦凍の厚い胸板に押し付けられる。

ワイシャツ越しに焦凍の鼓動が伝わり、それが伝播するように私の鼓動も加速していった。

「んっ…と、焦凍…？みんな見てるよ…。」

昼休みとはいえここは教室だ。
人もそこそこいるし、後ろから緑谷君の「うわああああ」という慌てた声も聞こえる。

「よく分からねえけど、こうしたくなった。お前と爆豪がくっついてるの見て、凄い嫌な気持ちなった」

「うん、見苦しかったよね…ごめん。」

「そうじゃ…」

と焦凍が言いかけたところで峰田君からの

「オイ！！教室のど真ん中でイチャついてんじゃねーよ！！」

というごもっともなお叱りが入ったので咄嗟に焦凍の懐から離れる。

何か言いかけていたけど、さっきのことを思い出すと恥ずかしくて喋りかけづらい…。

こうして私の爆豪君にゾッコン事件は幕を閉じた。