The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ30)

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30 園児の個性ページ30

緑谷side

「誰かの…そういえば朝───,」

轟君が言いかけたところで誰かが教室に入ってくる音がした。

「明保能！…って遅かったか…」

「相澤先生！明保能さんが…！」

「ああ、今朝ある幼稚園から電話があったよ。そこの園児が雄英生に個性を使ってしまったかもしれないとの報告があってな…。特徴からして明保能だということは分かったが少し遅かったな」

「早く離れろやァ～！！」

「はあ…好き…」

「先生、その幼稚園生の個性は何だったんですか？」

「先生、Aは元に戻るんですか？まさかこのままとは言いませんよね？」

「取り敢えずみんな黙れ」

相澤先生の髪が逆立つとみんなは静まり返った。

「園児の個性は'対象人物のどこかにキスをすると数時間後その人物がその時見た誰かを好きになる'という個性らしい。」

「それって2時間後、とか正確な時間は分からないってことか…」

「まあ3時間もすれば効果は解けるらしいから爆豪、それまでの辛抱だ」

「3時間？！ふざけんなクソがァ！！」

かっちゃんは眉間に皺を寄せながらめげずに明保能さんを剥がそうとしていた。

「辛抱？寧ろご褒美じゃねえか！あの時あの一瞬…！明保能チャンが爆豪じゃなくて俺を見てたらなあ～」

上鳴君がくっつく2人を横目に悔しそうに顔をしかめた。

「……轟君、大丈夫？」

真っ青な顔色をしていた轟君に声をかけるも轟君は何も言わずに自分の席へと戻って行ってしまった。