29 事故 ページ29
緑谷side
「爆豪君…好き…」
「ええーーーー！！」
休み時間中の教室は先程まで騒がしかったにも関わらず明保能さんの爆弾発言により静まり返った。
「どうしちまったんだよ明保能！」
切島君が明保能さんに駆け寄るも、明保能さんは相も変わらずかっちゃんの顔を見つめて恍惚とした表情を浮かべていた。
「分からない、本当に分からないの。でも本当に好き」
そう言うと明保能さんはかっちゃんの背中に手を回して抱き着いた。
「鬱陶しいんだよヤメロ！！」
かっちゃんは明保能さんを剥がそうとするがビクともしない…。
「絶対どこかおかしいだろ！そうだ轟は？！」
「轟君ならさっきトイレ行っちゃったよ…！何だろう、個性事故ってやつかな」
「うーん、明保能が急に爆豪好きになるとは考えらんねえ」
切島君が腕を組んで考え込むポーズをとった。
「登校する時に何かあったとか…？取り敢えず轟君に聞くのが手っ取り早いよ！」
「何で爆豪なんだよ〜！オイラを好きになれよ〜！」
「峰田君…それはそれでちょっと…」
「おっ来たぞ轟！おーい！」
教室に入ってきた轟君に上鳴君が手を振り呼ぶと、轟君は不思議そうな顔をしてこちらに歩いて来た。
「何か用か…、っておいAどうしちまったんだ」
「分からないんだよ、急にかっちゃんのこと好きだって言ったと思ったら抱き着いたりしだして…」
「A、爆豪が好きなら早く言えよ…」
「轟君？！」
「水差すのは悪ぃだろ、席着こうぜ」
「ち、違うと思うよ轟君！明保能さんは急にこうなったんだ、多分誰かの個性が原因だと思うんだけど何か心当たり無い？」
「誰かの…そういえば朝───」
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作者名：薫 | 作成日時：2020年8月12日 1時
