28 不可抗力 ページ28
「授業ハココマデダ、復習ヲシッカリシテオクヨウニ」
エクトプラズム先生の数学が終わり、先生が教室を出ていくのを目で見送った。
「はあ…。」
「どったの明保能チャン」
「上鳴君…。数学苦手なんだよね、だからテストの事考えたら気が重くてさ」
「テストったって期末だから体育祭の後でしょ〜。まあそんなに気がかりなら頭良い奴に教えて貰えば？」
「上鳴君中間テスト何位だっけ？」
「20位デスケド」
「そっか…。」
「その憐れみを込めた目辞めてくんない？！」
頭良い人…ってなると八百万さんと飯田君とかだけど今いないなあ。
「今八百万さんも飯田君も教室いないから後で聞くわ」
「爆豪なら教室いるぞ」
「え、爆豪君って勉強出来るの？」
「そーそーほんっと以外だよなあ〜……」
「あ……。」
楽しそうに喋る上鳴君の後ろから忍び寄る影…。
「なんか文句あっかアホォ！！」
「ヒィ！！」
怒りながら上鳴君の頭を鷲掴みにする爆豪君とバッチリ目が合ったので咄嗟に逸らした。
「オイ、お前スプーン曲げてたヤツだよなあ」
「え…ハイ…」
ずしずしと近寄って来るも目を合わせる事が出来ない、目を合わせたら殺されると私の本能が告げていた。
「こっち見やがれ！！」
「ひっ」
爆豪君は私の顔を両手で挟み無理矢理目線を合わせようとした。
そして不可抗力ながらも目が合ってしまった。
え、何この気持ち…。心臓がギュッて痛いけどなんか幸せな気持ち…。
「爆豪君…」
「ア゛ァ？」
「好き…」
「嘘でしょ！明保能チャンったらダイタン！」
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作者名：薫 | 作成日時：2020年8月12日 1時
