The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ15)

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15 嘘？ページ15

「位置について用意」

計測マシンの合図に合わせスタートする。

念動力で自分を素早く移動させる、やはりこの個性の汎用性の高さにはいつも感服させられる。

御先祖様に感謝だな…。

「4秒87」

その後も種目を終えていき、突然の個性把握テストは終了を迎えた。

空腹と朝の全力疾走のせいでコンディションはいつもより悪いが、今までの記録を見る限り最下位は免れそうだった。

個性に頼れない持久走は後ろから数えた方が早い結果だったけれど…。

「んじゃ、ぱぱっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。」

相澤先生がそう言い、リモコンを操作するとモニターにクラス順位が表示された。

「6位…か。」

焦凍は2位、1位は確か同じ推薦で入学した八百万さん。

同じ推薦組なのに、なんか置いてかれちゃってる気がするな…。

それより最下位の子、緑谷君って言うのか。

自分の個性を使うだけで指を折ってしまう、どんな個性なんだろう。

後ろを見やると俯き、とても悔しそうな緑谷君が見えたのでこちらまで心苦しく思えた。

「因みに除籍はウソな。」

「へ…？」

相澤先生の一言にほとんどの人が面食らった表情をした。

その言葉に安堵するも「あんなの嘘に決まってるじゃない…。」という八百万さんの声が聞こえたので完全に騙された自分が恥ずかしくなった。