14 メガネ君 ページ14
「やばい、お腹空いた…。」
朝寝坊したことを再び悔やむ。
こんな事になるなら走りながらにでも食パンを食べるんだった。
「何っ！朝食 食べていないのか？」
話しかけてきたのはメガネをかけた真面目そうな男子。
「うん、寝坊しちゃって…。」
「ならこれを飲むといい！少しは腹の足しにはなるだろう。」
そう言うとメガネ君はおもむろに腰あたりから飲み物を取りだした。
有難いけど、これ関節キスってやつになるんじゃ…。
「ありがとう、でも本当に良いの？」
「ん？ああ、ヒーローたるものライバルでも助け合わなければな！」
そういう事じゃないんだけどな…。
私がどうしようか迷っているとメガネ君の後ろから声がした。
「駄目だ。」
「焦凍…。」
「A、余り人に頼るな。」
「っ、ごめ」
「でも腹減ってるんだよな、これ食うか？」
そう言うと焦凍は右手から冷気を出したかと思うと氷の塊を手の平に出した。
「ン？」
人に頼るなとは…。
「ほらそこグダグダするな！」
「あっ、すみません！ えとメガネの人、お気遣いありがとう！焦凍も…こう、なんかお腹空いたの治ったから大丈夫、ありがとう！」
先生が怖いのでぎこちなく2人にお礼を言う。
「なら良いんだが…。あと俺は飯田天哉だ！宜しく！」
そう言うと飯田君はロボットのようなカクカクとした動きで走っていった。
「明日からはちゃんと飯食ってけよ。」
「うん、心配かけてごめんね…。」
最下位は除籍処分…。
死ぬ気で頑張らなきゃ。
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作者名：薫 | 作成日時：2020年8月12日 1時
