33 冷たい目 ページ33
「さーてそれじゃ早速始めましょ」
主審のミッドナイト先生がムチ的な何かを掲げパネルを指した。
「今年は、これ！」
パネルに表示されたのは障害物競走の文字だった。
「コースを外れなければ何をしたって構わないわ！
さあさあ位置につきまくりなさい！」
ランプが消え、ミッドナイト先生の合図で全員が走り始めた。
「せまっ！」
「どけよー！」
狭過ぎるスタートゲートはおしくらまんじゅう状態になっていた。
その後も仮装ヴィランのロボット、落ちたらとんでもなくヤバそうな綱渡り、地雷原の海、どこからお金が出ているか気になる難解な障害物ばかりだった。
焦凍がぶっちぎりでゴールを駆け抜けるのかと思いきや1位でゴールしたのは個性を一度も使わなかった緑谷君だった。
「はあ…はあ…。1位は…緑谷君？！
本当に凄いね！あの焦凍と爆豪君を抑えて1位になるなんて…。」
「ありがとう…。でも運が良かっただけだよ」
「そっか、でも運も実力のうちだと思うよ」
「A」
「あっ焦凍…」
「あんま緑谷と喋んな」
「は？何で…」
理由を聞こうとするも焦凍はこちらを冷たい目で一瞥するとスタスタと歩いて行ってしまった。
「焦凍…」
「ごっごめん！僕のせいで…」
「緑谷君は何も悪くないよ、こっちこそごめんね」
「緑谷君！明保能君！集合だ！次の種目の発表だそうだ！」
「飯田君！ごめん！」
先程と同じようにミッドナイト先生がムチ的な何かを掲げた。
「さーて第2種目はこれよ！」
「騎馬戦…！」
「俺、駄目なやつだー」
ミッドナイト先生が騎馬戦のルールを説明していく。
予選を通過した42名にポイントが振り分けられていき、1位の緑谷君はまさかの1000万だった。
「それじゃこれより15分、チーム決めの交渉スタートよ！」
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作者名：薫 | 作成日時：2020年8月12日 1時
