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『…消えたい…』
私は今日１日、ほぼ初対面の人２人に怒鳴った。
なんで私ってこうなんだろう。
きっと、どっちも良い人なはずなのに……。
いや、そんな事無いか。
人間は信じない方が良い。
信じて、裏切られた時のショックは半端じゃない。
それを私は知ってるから。
誰の声も聞きたくないし、音楽でも聞こう。
授業もサボってしまおう。
イヤホンを嵌めて、私の大好きな曲を聞く。
「VOCALOID」のキャラクター、「初音ミク」。
小学生の頃、「VOCALOID」を知ってハマった。
それからは辛い時、毎回ボカロを聞いている。
“ 〜♪ ”
『……っ』
声が聞きたい、君の声が聞きたい。
誰か私の隣に来てよ、話くらい聞いてよ。
助けて、救けて、助けて。
私ってなんだっけ、私って誰だっけ。
あれ、私は______。
『っ！？』
眩しい光が私を包む。
それはスマホから出ていた。
急に光って……！？
『…………！』
__________
『…………ぁ、』
気付いたら私は知らない場所に立っていた。
ここはどこ？
学校じゃない、私はさっきまで学校に居たのに。
四方八方全てが真っ白に染まっている。
何も置いてない、誰も居ない、あるのは……。
『…スマホ？』
私のじゃない、誰かのだ。
私のは今持ってる。
触ってみても、良いかな。
ゆっくり手を伸ばして、スマホに触れ…
「駄目、触らないで」
『！』
誰かの静かな声。
怒鳴った訳でもないのに、雰囲気がちょっと怖い。
しかも、この声は、「初音ミク」じゃないか？
普段の声より少し低いけど、きっとそうだ。
？「…もしかして、君がA？」
『え…あ、はい』
？「！ そっか、怖がらせちゃったね、ごめん」
『あの、振り向いても良いですか…』
？「うん、良いよ。 見ればきっと分かるよね」
真っ白だった世界に、誰かが映る。
薄い青緑の髪をツインテールにして、少し笑ってる。
ヘッドホンをして、パーカーを着ている。
少し外見は違うけど「初音ミク」だと確信した。
『え…？』
ミク「私は初音ミク、私の曲をいつも聞いてくれてありがとう」
『ほ、ほんとに…ミク、なの…？』
ミク「うん、ここがどこか分かる？」
『！ か、返して、元の世界にッ』
ミク「本当に？」
『え、』
ミク「本当に、君は元の世界に戻りたいの？」
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作者名：ramune | 作成日時：2022年1月10日 19時
