4 ページ5
『…はぁ…やってしまった…』
ピッと自販機でジュースを買ってから、
私はその場に深く座り込んだ。
ほとんど初対面の人に怒鳴ってしまった…。
それでまた嫌われたらどうしよう。
…いや、絶対嫌われてるよね。
天馬さんは良い人そうだけど、さすがに
怒鳴られたら嫌うはずだ。
もう教室に戻りたくないや…。
でも授業が始まっちゃう。
『……なんで、私ってこんな人間なんだろ…』
「“こんな”とは、どういう意味かな?」
『!』
顔を上げ、その人と目が合う。
紫の髪に、水色のメッシュ。
見た事無い、変な人。
『……あの…』
?「僕は神代類だよ、君は?」
『…佐々木Aです』
類「Aくんはどうしたんだい?」
『いえ、さっきほぼ初対面の人に怒鳴ってしまって…』
類「…それは誰か分かるかな?」
『確か、天馬…司、さんだと思います』
類「ああ、司くんなら大丈夫だね」
『知り合いですか?』
類「もちろん知っているよ」
そう言って神代さんは微笑んだ。
「大丈夫」とはどういう事だろう。
『私…嫌われませんかね…』
類「…フフ、司くんは絶対に嫌わないよ」
『どうして分かるんですか』
類「人を嫌った事が無いからさ」
『嫌った事が、無い…?』
嘘だ、そんな事あるものか。
私なんて1日に1人は嫌ってそうな勢いなのに。
でも、天馬さんの性格だったらそうなのかもしれない。
天馬さんと神代さんは、何か関係があるのか?
『……あの、』
類「なんだい?」
『どうして、私に喋り掛けてくれるんですか』
類「君が蹲っていたから…だけじゃ駄目かな?」
『具合が悪い訳でも無いと知っても、ですか』
類「…では逆に聞こうか」
『…』
類「どうしてそんな事を聞くんだい?」
『私は、嫌われているからですよ』
類「!」
『…それでは、答える気が無いのなら、さようなら』
また走り出した。
今度はもうどこへ行くのかも分からない。
…そうだ、私はこれで良い、これが良い。
愛されない程度がちょうど良いよね、きっと。
類「…フフ、面白い子を見つけたねぇ」
__________
結構前ですが、合計100hitありがとうございます!
ある日には1日96hitでびっくりしました。
僕の学校では、あと少しで期末テスト2週間前なので
最悪ですね。
ほとんど寝てたからやばいかも…。
302人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ramune | 作成日時:2022年1月10日 19時