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…目を開けた。
カーテンの隙間から日差しが顔を出す。
5時間しか寝てないや…寝不足。
……あ、そうだ。
私、今日から1人にならなきゃいけないんだっけ。
そうしないと、お母さんから怒られるし、
お父さんにも報告される。
せっかく仲直りしたのになぁ、またやり直しか。
『行って来まーす』
誰も居ない家の中に呼び掛けて、鍵を閉めた。
もうすぐ冬休みか…あと少しで1年が終わる。
皆は、きっと遊ぶんだろうな。
「あ…Aっ」
左右に垂れる髪を結ぶ美少女…寧々さん。
私を見つけた途端、走って来てくれた。
寧々「おはよ、今日も寒いね」
『……うん、おはよ』
態度が素っ気なくなってしまう。
まぁ、でも今日でお別れだし、きっと忘れてくれるだろう。
そんな私に気付いたのか、寧々さんは首を傾げた。
寧々「…どうしたの? いつもと変だよ」
『……うん、寧々さんにお願いがあって』
寧々「何?」
『もう、私に近付かないで欲しいんだ』
寧々「…ぇ……」
よほど驚いたのか、目を見開いた後、小さく声を漏らした。
そりゃそうだろう、信頼してた人間からこう言われるなんて。
慣れてるのは私くらいしか居ない。
寧々「な…なんで? 私、何かしちゃった…?」
『ううん、寧々さんは何もしてない。
私だけの問題なんだ…じゃあ、そういう事で』
寧々「ま、待ってよ _____ !」
『ばいばい』
背を向けて私は走った。
無いはずの良心が、注射の針を刺されたみたいに
チクッと痛んだ。
最後に私を呼び止める声がしたけど、無視して走った。
私だってこんな事したくない。
でも、仕方ないんだ。
私は、従わなきゃいけない “ 人間 ” だから。
__________
今回短めで終わります…すみません…!
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作者名:ramune | 作成日時:2022年1月10日 19時