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『…』
光が生徒に当たってる、ガラスに当たって、綺麗に見える。
彰人「……おい、A」
『…え』
彰人「聞いてたかよ」
『あ…ごめん、何?』
彰人「冬弥も手伝ってくれるって、良かったな」
『え…ほんと?』
冬弥「司先輩については手伝いたいので」
『あ…ありがとう…』
……そっか、私のためにそんなに手伝ってくれるんだ。
寧々「良かったね」
『……うん、ほんとにありがとう。 …寧々さんも』
寧々「私は、別に…協力したいだけだったから」
それだけ言って、寧々さんはふいっと私から顔を背けた。
横から見た耳は少し赤くて、照れてると分かった。
冬弥「でも…司先輩が怒るのは、本当に珍しいんですよ」
『ぁ…そうなの?』
冬弥「俺もなかなか見た事が無いので…」
『私…やっぱり嫌われてるよね…』
自分で何言ってるか分かんなくなった。
何言ってるの、他人の「好き嫌い」なんて関係無いのに。
彰人「そうだな、嫌われてるんじゃねーの」
冬弥「! 彰人、それは少し言い過ぎじゃないか」
寧々「…ちょっと、」
彰人「そこからやり直せば良いんだろ」
ぶっきらぼうに言った言葉。
でも、私はその言葉に顔を上げた。
目の前の東雲くんは、私を見つめていた。
その瞳は真剣で、吸い込まれてしまいそうで、
とても綺麗だった。
『っ、』
彰人「今回駄目だったらまた今度。
とりあえず今は今だろ、嫌われたからって諦めんなよ」
冬弥「…彰人」
彰人「オレの知ってる…思い出した、Aらしくねぇよ」
『……東雲くん、』
寧々「…司に会いに行く?」
冬弥「そうだな、A先輩、話し合える状態ですか?」
『…うん、大丈夫』
寧々「…心配だったら私も行く…けど」
『……ありがとう、寧々さん』
でも、そんなに甘えてばっかりの私じゃないはずだ。
ミクと、いや、ミクに約束したんだ。
“ 帰るよ、元の世界に ”
“ 頑張って、A ”
『でも、大丈夫。 私は1人で行く』
これ以上、他人に迷惑は掛けられない。
あの『約束』をちゃんと果たす。
それが私の今の…
“ 義務 ” だから。
__________
言い忘れてましたが、合計12000hit、
ありがとうございます!
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ついこの間170人だったのに…!
評価ももう少しで70票!
本当にありがとうございます!!
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作者名:ramune | 作成日時:2022年1月10日 19時