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狂気。
初めて見る自分が怖いと思った。
でも、どうしてもそれは自分なんだから仕方ない。
引き込まれそうで、顔を無表情に戻そうとする。
……どうしようか。
…もう、何だか戻ってくれないや。
「パリンッ」
『! …ミク?』
気付けば、ミクが私の持っていた鏡を割っていた。
慈しむように、慰めるような目で鏡を見た後、呟いた。
ミク「…まだ、駄目だよ。 この子を連れてっちゃ駄目」
『……ミク、私…』
ミク「A、やめよっか」
『え?』
ミク「他のセカイに行くの、君も行きたくないでしょ?」
『あー…あの、2人が居た所、』
ミク「これ以上、苦しませたくないんだ。 …良いよね?」
『……嫌、行きたくない』
なんだろう、あの自分と会ってから、やる気が出ない。
学校にも行きたくないし、帰りたくない…。
生きるの疲れたなぁ。
『ここに居たい』
ミク「良いよ、ここに居て。 無理に戻ろうとしないで」
『うん、ありがとうミク』
そう言い、私はミクの肩に寄りかかって目を瞑る。
深く堕ちていく、私は永遠と「悪夢」の中へ……。
_________
このセカイに来てから、数日経っただろうか。
ある日目覚めれば、ミクの隣に、知らないミクが居た。
青緑…より水色と言った髪色の方が合ってる。
目がきらきらしてる、この子も綺麗だな…。
ミク「…あ、起きた」
ミク?「Aちゃ〜んっ、心配してたよ〜!」
『え、あの……ミクが、2人…?』
ミク「うん、この子は別のセカイのミク。
ここに呼んじゃった、このミクは、あのセカイのミクだよ」
『あのセカイ…?』
ミク「うん、前行って…トラウマになっちゃった…」
『あのセカイの、ミク』
ダショミク「初めましてAちゃん!
初音ミクだよっ、この前は司くんと類くんがごめんね〜っ」
『あ、うん、それは大丈夫…私のせいでもあるし…』
ミク「これから、このミクと話してもらいたいの」
『私が?』
ミク「うん、この子も人を救うための “ 初音ミク ” …。
話したら、きっと分かってくれると思うんだ」
ダショミク「お話、しーましょっ!」
そう言って、ミクは私の手を取って笑った。
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作者名:ramune | 作成日時:2022年1月10日 19時