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…ハッとした。
やばい、また、まただ。
ミクにも怒鳴ってしまった、私の癖だ。
『…………ごめん』
ミク「いーよ、私だってAの気持ち分かってる」
『…?』
ミク「そこまで言うのはね、本気で君を救いたいから」
『…私を?』
ミク「私も悪かったね、今度から気を付ける。
でも、また無責任な事を言ったら…そう考えて欲しいな」
『……分かった』
ミクの言ってる事は間違ってない。
むしろ合ってるんだ、私と違って。
私は、いつも他人のせいにしちゃうから。
今日私が失敗したのは、クラスメイトのせい。
今日私が泣いたのは、泣かせた人のせい。
成績が悪くなっちゃったのは、先生のせい。
風邪を引いたのは、ちゃんとしなかった医者のせい。
私が生まれてきたのは、親のせい。
…ううん、全部違う。
何でも “ せい ” にしちゃ駄目、そんな事分かってる。
失敗したのも、泣いたのも、成績が悪くなったのも、
風邪を引いたのも、私が生まれてきたのも……
全部全部、私の…自分のせいなんだって。
分かってる、でも、そうしていないといつか壊れそうで。
人の不幸を喜ばないと、私が壊れてしまいそうで。
嘘を吐かないと、誰もを欺かないと、私は壊れるんだって…。
面白くもない事を笑い、悲しくもない事に悲しむ。
100%自分が悪くなくたって、そういう時は逆に謝る。
その生き方が、人間の生き方だ。
正しさばかりを追求するのは、そんなもの、私は知らない。
私はそうやって生きてきたから。
ミク「……A、」
だから、分からなくなっちゃったのかもね。
ミク「……鏡」
差し出された鏡を、受け取って、覗いた。
『……あは、あはははは…っ』
“ 誰? ”
数分前の、自分の質問。
何を言ってるの、私はAだよ。
狂っている、私の表情は『喜怒哀楽』全てが混ざっていた。
どうして、笑ってるのに泣いてるんだろう?
どうして、怒ってるのに楽しそうなんだろう?
鏡の中の “ 私 ” は、無表情のまま、私を見つめていた。
そう、まるで、
檻の中に閉じ込められている、獣を見るような目で。
__________
合計7000hit超えありがとうございます!
内容的に狂ってきた感じになりました…どうしよう。
まぁ僕は狂気的な子も好きなので、性癖上そうなりました。
重くないですか?
楽しめていただけているか不安ですが、
僕もまだまだ頑張ります!
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作者名:ramune | 作成日時:2022年1月10日 19時