Fantasy (ページ7)

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なんなんだこの人……

「顔はかっこいいのにモテなさそうですね」

『お前喧嘩売ってんのか』

私も早く帰ろうと思っていた

『酒は飲んだ？』

「え、飲みましたけど」

『家は近い？』

「ちょっと遠いですけど」

『んー、俺ん家歩いて2分くらいにあるから』

「……？それがどうかしたんですか」

『だからー、一旦俺ん家行って車で家まで送ってやるって言ってんの』

「…………意外といい人ですね」

『喧嘩売ってんのか』

と、まあこんな出会いをしたのであった。

...
..
.

久々に懐かしいこと思い出したなあ

日曜日、言われた通りに家に行き、ご飯でも作ろうかと材料を買ってきたらもうこんな時間になってしまっていた。まあまだ帰ってこないだろうし作るか。

ポタッポタッ涙が止まらないのは何故だろうか。玉ねぎなんて切っていないのに。

そのとき『ただいまー』と彼の声がした。

『おっなんか作ってんのー、腹減ったー』

鞄と上着をソファに置き、キッチンに向かってくるのがわかった。

背中に温もりを感じた。

「料理できないから離して」

我ながら可愛くない

『……やっぱあの記事見た？』

「見た。」

人気俳優イホンビン美人若手女優と熱愛？！朝から話題になっていた。写真には私なんかよりずっと美人な女優さん。彼が浮気をするような人じゃないことはわかっている。わかっているけど。

『あんな記事全部嘘だから』

「わかってる」

『じゃあなんで泣いてんの』

不安なんだ。彼はかっこいいから。彼の周りには綺麗な人も沢山いる。

『こういう時に一般の女性とお付き合いしてるのでその記事はデマです。ってハッキリ言えないの俺の仕事上』

『過激なファンとかに襲われたら困るし、公開できない、わかって欲しい』

「うん」一言、彼の胸に抱きつく。

『珍しく素直で可愛いな』

「うるさい」

俺はAしか、好きじゃないから信じろ

横暴彼氏-hongbin-end