▽水色２３ ページ47
Nakamu side
sh｢なかむなんて、…嫌い、だ…｣
こんな言葉を彼から聞くの、いつ振りだろう。
少し懐かしくて嬉しさが込み上げてくる。
この気持ちは、きっと
Na｢俺は…シャケが好きだよ？｣
俺の口からそんな言葉が出た。
俺の言葉にシャケは目を丸くしてて、俺も正直驚いてる
Na｢シャークんが、好き｣
sh｢っ……嘘…嘘だ！またそうやって俺を縛り付けて…！｣
Na｢違う！違うよ…っ本当にシャークんの事が好きなの！｣
彼の両手に手を添えるが振り払われる。
頑なに頭を横に振り、ボロボロと翠色の瞳から大粒の涙が溢れて零れ落ちる
嫌い、大嫌い。
ずっとその言葉を繰り返してる。
どうしようと困惑するが頭は以外にも冷静だ。
Na｢シャークん、顔上げて？｣
sh｢やだ、嫌…｣
見えないけれど、きっと苦しい顔してる。
sh｢お前の為に死ぬのは…もう、やだ…｣
そう呟くと両手で顔を覆った。
微かな泣き声が胸に刺さる。
今の彼に、何て伝えよう。
Na｢…何度も死んで、ごめん…｣
倍の倍の数をしてきただろう。
いくら記憶力の良い俺でも覚えてないのだから
どれだけ命を無駄にして
どれだけ彼の命をも無駄にしたのだろう。
sh｢…何を言って…｣
その烏の様な黒髪が、その翠色の瞳が
全部が愛しくて。
今いう言葉でも、送る台詞でも無いけれど
Na｢俺は…今でもシャークんのものだから｣
あの時、あの日俺がシャークんの物になりたいって言ったあの日
sh｢…っ今までどれだけそれに振り回されたと思ってんだよ！もう…｣
Na｢それでも！それでも…シャケが忘れてくれなかった事が、一番嬉しかったの！｣
あの時、あの俺の台詞が
"シャケの物になりたい"
呪いを彼に掛けたも同然なんだろう。
けれど嬉しかった。
シャークんが突然俺を気に掛けてくれて、死ぬ時はいつも何かしらの形でそこに居て…俺を心配してくれた。
Na｢シャークんのお陰で生きようと思ったの！｣
シャークんに助けられたから。
だから君の為に生きようって
一緒に隣を歩きたいって思ったから…
Na｢シャケが俺の事を好きって言った、あの夜から…！｣
俺が刺されたあの日。
死にかけで意識が朧げで
合ってるかさえも分からないけれど…
『なかむ、俺＿＿｡
お前が好きだ。』
シャケが言ったのなら馬鹿にしたい程シンプル過ぎる告白な気もするけど。
その言葉が本当に嘘じゃないなら
Na｢だから…シャケの為に死んだって良い｣
それぐらい、好きなんだ…
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作者名：rhum | 作成日時：2021年4月26日 19時
