▼翠色１３ ページ28
sharkun side
引っ張った手首からチラリと覗く包帯と赤色
sh｢っ、なかむ･･･これ｣
なかむは俺が声を零すと終わった、という顔をしてすぐさま｢ちがう｣とか｢離して｣と細々と零す
まぁ、俺は知ってたけど。
だからもう、泣かないで
Na｢違う、違うのっ、だから、だから･･･｣
sh｢･･･ごめん｣
Na｢っ、え｣
sh｢気付けなくて｣
それからは時間をかけてゆっくりと解いていった
リスカは前からずっと、俺等に会う前から
そう話してくれた
確かにリアルで会うことは滅多にないし、会ったとしても長袖を着てたり
sh｢辛かったよな、寂しかったよな｣
Na｢さびし、がったっ！ずっど、ｸﾞｽ、一人、で･･･、だめ、゛って、おも、ってで｣
わんわんと腕の中で泣く小動物を抱き抱えながら背中を優しく撫でてあげる
sh｢大丈夫、大丈夫だ。俺がいる。忘れてなんかも消えてなんかもない｣
Na｢シャケ、しゃぁ、くん･･･！｣
そのままガラスが入ったままの傷も、溢したオレンジジュースも、ガラスの破片も
全部放っといて、忘れたままで只今時間だけが過ぎていく
まるで、二人だけの世界みたいだ
゜
泣き疲れたなかむをベッドで寝かせ、俺は夜食を買いに部屋を出た
冷蔵庫の中、確認したぜ？
全部賞味期限切れなんだぜ？
ヤバい超えて凄いぞ？
寝顔を覗くと
Na｢、しゃ、け｣
sh｢まだ言ってやがる｣
優しく茶髪の髪を撫でてあげる
月に照らされる寝顔は最高に可愛いかった
まるで幼い子供だ
sh｢行ってくるな｣
鍵をかけて、俺はなかむの家を後にした
ﾊﾟﾘﾝ
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作者名：rhum | 作成日時：2021年4月26日 19時
