私と彼らの青春【Hokuto】【Kazuma】

信じているよ ページ18

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「 いってきまーす 」








玄関の扉を開けると

いつもと同じように家の前で待っててくれる壱馬。

よっ、と手をあげるから

私はおはよう、と返した。








壱馬「 おはよ。んじゃ行くか。 」


「 あ、そっか…うん 」








今日から北人とは一緒に登下校、できない。

ただでさえ三人での時間が減ったのに

これじゃあ幼なじみ以下になったようなものだ。


途端になにか壊れていく感覚が怖くなって

足がすくんで前に進めなくなる。








壱馬「 A？ 」








壱馬の心配する声で

なんだか泣きそうになった。


鼻の奥がツン、とする感覚が迫ってくると

頬に伝う冷たい雫。








壱馬「 おい、なにして… 」








グイッと顔を上げさせられると

焦った表情の壱馬と目が合うけどそれどころじゃない。








壱馬「 …泣くな 」


「 ……ふぅ…っ 」


壱馬「 ……行こ 」








手を繋がれて私を引っ張る。

少し強引だけど、

今はそれくらいがちょうどいいのかも。


じゃなきゃ私は前に進めない

…北人のことだって応援できない


どっちみち今は北人の恋を応援してあげられるほど

強くないし優しくないし諦められてないんだ。








壱馬「 Aが辛い時は絶対にそばにおるから 」


「 ……うん…っ 」








繋がれた手を見て

北人だったら良かったのに、

なんて思う私はきっと最低な人間なんだろう。









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