＿＿＿07 ページ7
「…ハハ、じゃあお言葉に甘えて、俺のことたっぷり可愛がってくれる？」
「うわわわわ、ちょ、ちょっとちょっと、待って」
身長差を最大限利用して、ぐぐぐ、と覆いかぶさるように壁に押し付けられる。
苦しい。すごく苦しい。背骨がミシミシいってるような気がするんですけど待って折れる折れる折れる！
「タンマタンマタンマ！私の負けです、負けだから許してー」
「あは、騎士ごときが王様に勝とうとか、おこがましいっつーの」
まったく。全身の骨という骨が痛むよホントに。
「レディーには優しくすべきだよ」
「優しくする価値のある奴にしか俺は優しくしねぇから？」
「私にはその価値がないと！？」
「は？あるに決まってんだろ、お前にしかこんなコトしねーよ」
…ゑ？ザナザナ君は、優しくする価値のある人間の背骨を折ろうとするのかい？
意味が分からず複雑な顔をする私を見て、イザナはプッと軽く噴き出す。
「Aはこう、見ててイジメたくなるっていうか。嗜虐心が搔き立てられるんだよ」
「何それ理不尽すぎ」
「脆くて儚くて綺麗だから守ってあげたいけど、時々めちゃくちゃに壊したくなる」
「何それ怖すぎ矛盾すぎ」
そんな高頻度で壊されそうになってんのね！？私。
「Aだってあるだろ？とびきり綺麗なものを、壊したくなること」
「ないよ…綺麗なものは大切にしたいって、普通。イザナが異常なのでは…」
「そうだね、俺は狂ってると思う。――今だってお前を、ぐちゃぐちゃにして俺だけのモノにしたい」
―――いつの間にかその雰囲気がまた、暴力的で剣吞な気配を帯び始めていて。
感情の起伏があまりにも激しい、異様な程落差の大きい彼に、喉が引き攣った。
「お前は優しいよ。どんな醜いとこ見せても、拒絶しないで、受け止めてくれるから」
「―――」
「普通の人間だったら、とっくに離れてるだろ？」
「……」
「Aは優しくて、慈悲深くて、…残酷だよ」
紫紺の瞳が、昏い光を宿す。何故か、目を逸らせなかった。
「お前は、誰にでも優しいんだよ」
「そんなこと、イザナに……」
「分かるんだよ、一緒にいる期間がどれほど短くたってさ。…お前が、俺だけを見てくれないことぐらい」
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ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです！みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (
レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。！ありがとうございます！！ (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません！完結おめでとうございます！ (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか？あと最っっっっっっ高です！ (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月25日 14時
