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満面の笑みを浮かべて喜びを示す千冬は、それだけでは飽き足らず、じゃれつくように私に抱き着く。



始めて会った時は私と同じくらい華奢だったのが、今ではすっかり私より身長も幅も大きくなっちゃって。今でもほっそりしてるのは変わらないけど。



成長したな……としみじみと感慨深く頷く私を、ぎゅむむ、と抱きしめる千冬。…んー、ちょっと苦しいかな。千冬の柔軟剤の匂いが胸いっぱいに広がって、心地いいのは心地いいんだけど。


「Aさんはいっつも、いい香りがしますね」

「そかな。千冬もね」



道端で抱きしめ合う私たちを、道行く人が生温かい目で見てくる。ちょっとそろそろ恥ずかしくなってきたかもな。


「……大好きです、Aさん」

「ありがとう。私も千冬のこと大好きだよ」


一人っ子の私としては、こうやって慕ってくれる弟みたいな存在がいるのは、本当に嬉しい。








「…あー、何で俺はこうなるんだよ…」

「?――どしたん、千冬」

好きだと渾身の思いを込めて伝えても、Aには伝わらない。Aに向けられる愛は、親愛ではあっても、決して恋愛ではない。彼女にとって自分は、あくまでも『可愛い弟』であり、一人の男として認識してもらえない。それはきっと、自分が彼女より一つ年下であることも、関係しているのだろうけど。




少女漫画をよく読む千冬は、彼女がもし自分の恋人だったら、と想像するの好きだ。
毎日Aにピッタリ引っ付いて、見ている他人が胸焼けするくらいにイチャイチャして、ドロドロに彼女を甘やかしたい。到底口に出して言えないような、あんなコトやこんなコトも――――


「___?千冬?…ホントにどしたの、ボーっとして」

「へっ!?あ、何でもないっスよ!?」

「んー、怪しい」



そっち方面に妄想を膨らませていたら、いつの間にかAの顔がすぐ近くに迫ってきていて。長い睫毛に縁取られた大きなカラメル色の瞳が、いっぱいに千冬を映し出している。




怪しい怪しい、何か企んでおるな?と騒ぐAの手をつないで強引に引っ張り、何とか黙らせることに成功する。



きっと今自分が考えていたことがAにバレたら、幻滅されるのはほぼ確定案件。


取り敢えず、バレンタインデーのチョコを予約できただけでも、成果はあったと一人納得する千冬だった。

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- え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時

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