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とうとう隆からプロポーズされちゃったよ。
そりゃあ隆、料理得意だし、裁縫超得意だし、働き者だし、優しいしカッコいいから超優良物件だとは思うよ。
将来誰とも結婚できなかったら、隆のところにお嫁に行こうかな、なんて本気で考えてたし。でもさすがに、向こうから言われるとは思ってなかったなー。
照れくさいのと、何故か少し嬉しいのとで笑いかけたら、フリーズしてしまわれた。
「私も本気で、考えてみた方が良いのか―――……ん」
冗談でそんなことを口にしかけて、あっと言う間に近づいてきた隆の唇に塞がれる。
軽く、啄ばむように優しくされたかと思えば、すぐに離れて行って。
「ななな何で!?いま、今、ききキスする要素とか原因とか理由とかあった!?ないよね!?草の根をかき分けてもきっと見つからないんですけど!」
「ん?…まあ、誓いのしるし的なものと思ってもらえれば」
「何その軽いノリ!!」
何が『思ってもらえれば』だよ。まだ結婚してないわ、付き合ってすらないわ!!誓いのキスってもっと厳かで静粛なものなんじゃないのか!?
「あああああ…」
慌てて距離をとって後ろを向き、赤くなった顔を見られないよう教卓に突っ伏した。
「…何?そんな嫌だったのか?」
揶揄うような口調で、隆が近づいてくる気配がした。
「やめてこないで触らないで!」
「……は、何だよ、」
隆の優しい表情が、熱っぽい瞳が脳裏にこびりついて離れない。長くて細い、綺麗な指の感触が、明瞭にハッキリと思い出されて、慌てて頭から追い出そうとする。
「ホントにダメ、ちょっと本気で隆のこと好きになっちゃいそうだから。今、恋に落ちそうな非常に危険な状態だから触るのも顔見るのも禁止」
「―――そんなこと言われて、ハイそうですかって引き下がるわけねぇだろ、バカ。こっちはお前に好きになってもらうために、色々頑張ってるんだっつーの」
抵抗もむなしく、あっさりと教卓から引き剝がされました。
「…んで?オレのこと、好きになってくれんの?」
「いや、あの、それは…今その状態に陥りかけているというか、その〜…」
ジリジリと後ずされば、ガスン、と腰に机がぶつかる。そうだったここ教室だった逃げ場ほとんどないんだったー!!まさかこれも予想してたのか!?隆。
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ま - え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時