たらたら25 ページ26
「ああもうどうすればいいんだあああ…」
普通あんなことがあったら隆のこと避けてしまいそうになるじゃん?
でも同じ学校じゃん?同じクラスじゃん?そんでもって席隣同士じゃん!?
…うん、避けようがないんだわ。
「――悩んでんのか?A」
「うひっ」
…うん、当の本人が現れちゃったわ。
「言っとくけど俺は、後悔してねぇよ。…でも、Aに嫌な思いさせてたら、ごめん。それは本当に、申し訳ないと思ってる」
「……」
今の私が、一番戸惑っていること。それは、全然嫌じゃなかったという事だった。
きっとあれが万次郎だったなら、ひっぱたいて、拒んでいたかもしれない。
―――でも、それができなかった。何故だろう、不思議と、嫌悪感は全くなくて。
「た、隆はさ、その…私のことが、恋愛的に、好きだったり…?」
「ったりめーだろ、逆にそれ以外理由何かあんの?」
「いや、ただ単にキスがしたかっただけ、とか」
即答されると照れる。いやでもまぁ、隆がキス魔だとは思わないけども。
案の定、隆はムッとした顔つきになって。
「何それ、意味わかんねえんだけど。…何なら今、ここでもっかいするか?」
「その思考回路が分からない。絶対ダメ」
「へぇ?」
するりと指を絡められ、隆が可笑しそうに、こちらを覗き込んでいる。
やばい、ほっぺたが熱くなってきた。いやだって距離近いんよ。鼻が掠めるぐらいって、そんだけ近くにあるとどうしても、その、先日のことが思い出されてしまって。
ああ、今日の隆は非常に意地悪だ。絶対私の反応見て楽しんでるでしょ。
かと思えば、あっさりと隆は顔を離した。手は繋いだままだけど。ホッ。
「俺さ、マイキーに、Aはお前のモンじゃねえとか、色々偉そうなこと言ったけどさ」
「……うん」
「俺だってホントは、Aのこと独占したいし、誰にも触らせたくねぇよ」
「そういうことを堂々と言わないで」
直球過ぎて、どうやって返せばいいのか分からない。
「でも、そうやって顔赤くしてるっつうことはさ、ちょっとでも俺のこと意識してるってことだろ?」
「そりゃそうでしょ。意識しない方が至難の業」
「ならやっぱり、俺は後悔してない。…んでもってあわよくばもう一回出来たら嬉しい」
「それはダメ」
「ハハ、やっぱダメか」
そう言って無邪気に笑った隆は子供みたいで。少しだけ胸が高鳴った―――ような気がした。
2482人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャラメルシュガー(プロフ) - まって..wwこのお話面白すぎて夜中なのに爆笑してしまったwww作者さん神‼️ (2022年8月18日 0時) (レス) @page18 id: 9b02bb5cbf (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - 全部千冬が引き継ぎます!! (2021年9月3日 10時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - あとなんか知らんけどバジリスクが4ぬとこめちゃ冷静でした丸 思い言え無くて残念だったねバジリスク…君の無念はきっと千冬が果たしてくれるよ多分! (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - なのはさん» なんか壮大なストーリーが始まる予感…っ!! (2021年9月3日 9時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雨降り星さん» そう…これが…黒い衝動の始まりだった…(((おやめなさい (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年8月21日 0時