＊いきなり求婚！？ ページ5
次の日の朝、簡単な朝食を作って彼に差し出すと、『すまない』と言われた。
『お前の布団を占領し、朝食まで作ってもらって』
心なしか、彼の顔が暗く見える。なぜだかそれが可笑しくて、私は笑いながら答えた。
『別に大丈夫ですよ。考え事しててそのまま机で寝ちゃうことはよくあるし、食事は1人分つくるのも、2人分作るのも大して変わりません。…それにあなたは、分かってないんだから』
『…？』
『すまないって何回も言われるより、ありがとうって1回言ってくれる方が相手は満足するの。謝ってほしいんじゃなくて、してあげたくてしたことなんだから、ね？』
片眼を瞑って悪戯っぽくそう言うと、しばらくしてから彼は「…ありがとう」と呟いた。
お互いに名前を名乗りあい、意外と住んでいる所が近かったという驚きを得たところで…
『それで…A、改めて言いたいことがあるんだが…』
『何？』
『俺と…夫婦になってくれないだろうか』
『あぁ〜夫婦。めおと。…めおと！？！？』
一度自分の中で受け入れかけて…受け入れられなかった。
『えっ、いやあなた何言ってるの！？えっ、ちょっと理解できないんだけど！？』
彼はもしかしたら頭のどこかがおかしくなってしまったのだろうか。
いや、そうとしか思えないんですけど！？
出会ってから1日で求婚する人っている！？
『好きだ、A。俺と結婚してくれ』
あっ、いたわ。目の前にいたわ。
『あのね、義勇さん、あなたはちょっと錯覚してるだけなの。ちょっと優しくしてくれた私に対する感謝を、好意と錯覚してるだけなの』
必死に彼の眼を覚まそうとするが、
『俺の気持ちは変わらない。…それとも、Aは、俺が嫌か？』
深い蒼の瞳に、吸い込まれてしまいそうだ。
…嫌とか嫌じゃないとかの前に、あなたのこと全然知らないんですけど！？
『でも、私、あなたのことそんなに知らな…』
『なら毎日来る。そうすれば俺のことをもっと知れる』
いや、今さりげなくお断りしようとしてたのに遮らないでもらいたいんですけど！？
『そんな無茶苦茶な…』
『俺はずっと待っている』
彼の宝石をはめ込んだような瞳が、切なげに揺らめいているのを見ると、何も言い返せなくなってしまった。
そんなこんなで、時は現在に至る。
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ゆき(プロフ) - #観音坂ゆるさん» 泣いてくださったなんて…！！こっちがうれしくて泣きそうです！！そうです、居酒屋のあの女性は無惨様なんです、あれっきり登場することなかったんですけど…。夢主のことお気に入りだったみたいですね (2021年1月3日 0時) (
レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ところで、居酒屋のあの女性は無惨様だったんでしょうか…？ (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 最後めっちゃ泣きました( ；∀；)きゅんきゅんしたり、感動したりできる素晴らしい作品ですね！！完結おめでとうございます！！ (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - まるこさん» あっ、もうめっちゃ頑張ります！コメント嬉しいです、ありがとうございます！ (2020年11月3日 8時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
まるこ - めっちゃきゅんきゅんします〜〜！続きを心待ちにしております！ (2020年11月2日 21時) (レス) id: 8f523f6a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきのふ | 作成日時：2020年9月12日 23時
