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*少女の独白 ページ34

〜義勇side〜

「私ね、義勇のことが好きなの」

月明かりに照らされたAの顔は、息をのむほどに美しく、泣きたくなるほどに切ない表情であった。

その赤い唇が紡ぐのは、今まで自分が喉から手が出るほどに、欲しいと思っていた言葉。


「人間的に好きっていう意味じゃなくて、あっ、もちろんその意味でも好きだけど…」
話しながらあたふたとするAの姿は、本当に可愛らしかった。

慌てたかと思えば苦笑したり、ころころと表情の様変わりするのは、見ていて決して飽きない。

「私はちゃんと、貴方に恋をしてます、今までちゃんと言えなくてごめんなさい。いつも一緒にいてくれてありがとう。…私を好きになってくれて、ありがとう」


ほんのりと頬を桜色に染めたAの、普段は決して見せないような表情と、その言葉に、義勇は人知れず息を詰める。

思わず、その顔にそっと触れたくなるのを何とか理性でこらえた。
…今ここで彼女に触れてしまったら、きっともう抑えが聞かなくなる。


「どうかお願い。これからもずっと、あなたの傍にいさせてほしい。…私のことを、嫌いにならないで」

今にも泣きだしそうな、そんな感情を含んだ声だった。嫌いになんてなるわけがない。
世界で何よりも、愛おしい存在だというのに。むしろ、お願いしたいのは自分の方であるというのに。

今まで知らなかった、彼女の弱さや脆さを知り、彼女に対する愛おしさが倍増する。
同時に、自分にはAに対する黒い欲望があることを再認識してしまった。

その柔らかい唇に噛みつきたい。
白い肌に、自分の跡を残したい。
自分以外のことを何も考えられないようにしてしまいたい。
2人で、甘く、蕩けてしまいそうな快楽に溺れてしまいたい。

でも駄目だ、そんなことをすればきっと、Aは自分のことを嫌いになってしまうかもしれない。


「そろそろ、皆のところに戻ろっか」
何かを、押し殺したような笑顔だった。その、どこか寂しい笑顔に、胸が締め付けられるような感触になりながら、義勇はされるがままに立ち上がる。

Aの手の感触だけが、やけに鮮明に感じられたのだった。

*後始末は結局→←*本音



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ゆき(プロフ) - #観音坂ゆるさん» 泣いてくださったなんて…!!こっちがうれしくて泣きそうです!!そうです、居酒屋のあの女性は無惨様なんです、あれっきり登場することなかったんですけど…。夢主のことお気に入りだったみたいですね (2021年1月3日 0時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ところで、居酒屋のあの女性は無惨様だったんでしょうか…? (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 最後めっちゃ泣きました( ;∀;)きゅんきゅんしたり、感動したりできる素晴らしい作品ですね!!完結おめでとうございます!! (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - まるこさん» あっ、もうめっちゃ頑張ります!コメント嬉しいです、ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
まるこ - めっちゃきゅんきゅんします〜〜!続きを心待ちにしております! (2020年11月2日 21時) (レス) id: 8f523f6a9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2020年9月12日 23時

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