*しのぶさんと蜜璃ちゃん ページ27
「A、席はここだ。…食べよう」
ぐいぐいと義勇に押されて、座らされたのは1番端っこ。左端なので、右隣に義勇が座ることになる。
…なーんか隔離されてる感が半端ないのだが、そこはもう気にしないことにする。
「オイオイ冨岡、自分一人でAさんを独占しようっつう魂胆か?それはちっとばかしズリィんじゃねえの」
「そうですよ冨岡さん。私たちだってAさんとお話ししたいのに、ねぇ、蜜璃さん」
「しのぶちゃんに同感よ!!ぜひぜひ、Aちゃんと喋ってみたいわあ」
さっきの筋肉派手男(失礼)に続いて言葉を発したのは、恐ろしく美人で小柄なお姉さんと、桜餅のような、可愛らしい色合いの髪の毛を持つ、なんとも女性らしい起伏に富んだ体つきの女性。
私の方こそ、ぜひともこの女性の方2人組とは、一緒にお話ししてみたいなあと思って近寄ろうとしたが、それは不可能であった。
「Aは俺の恋人だ。…俺の所有物を、俺が独占して何が悪い」
感情の冷え切った蒼い瞳で、3人を見つめる義勇。
彼に今、座った状態で後ろから腰に腕を回され、肩に顎を載せられ、ほっぺた同士がくっついている状況なので、動こうにも動けない。
…っていうか、私はあなたの所有物ではないんですけど!?
「義勇、私も、しのぶさん?と蜜璃ちゃん?と一緒にお話ししてみたい。…だから今はちょっとだけ離して、ね?」
「嫌だ。断る。Aは俺の傍にいるだけで構わない。俺から離れるのは許さない」
「いや、別にあなたに許される必要ないんですけど!?私の意思も尊重してほし――っ!?」
せっかく柔らかめの口調でお願いしたのに、即拒否されて、ちょっとぷっちーんときかけたところで思わず言葉を飲み込んでしまった。
額同士をコツンと合わせて、鼻と鼻がくっついている。少しでも動けば、唇同士まで触れ合ってしまいそうで、微動だにできない。
「そんなに俺が嫌いなのか、A?」
掠めるような距離でそう、低く囁かれ、甘い吐息が顔に吹きかかる。
「き、嫌いって、そんな…」
先程の勢いとは一転、弱々しくそう返すも、義勇の吸い込まれるような蒼い瞳で見つめられると、何故か体に力が入らない。
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ゆき(プロフ) - #観音坂ゆるさん» 泣いてくださったなんて…!!こっちがうれしくて泣きそうです!!そうです、居酒屋のあの女性は無惨様なんです、あれっきり登場することなかったんですけど…。夢主のことお気に入りだったみたいですね (2021年1月3日 0時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ところで、居酒屋のあの女性は無惨様だったんでしょうか…? (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 最後めっちゃ泣きました( ;∀;)きゅんきゅんしたり、感動したりできる素晴らしい作品ですね!!完結おめでとうございます!! (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - まるこさん» あっ、もうめっちゃ頑張ります!コメント嬉しいです、ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
まるこ - めっちゃきゅんきゅんします〜〜!続きを心待ちにしております! (2020年11月2日 21時) (レス) id: 8f523f6a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2020年9月12日 23時