*後輩たち ページ14
「今日は俺の屋敷で、炭治郎達に訓練を付けてやることになった」
炭治郎くんというのは、確か義勇の後輩の子だった気がする。
実際にあったことはないけれど。
「そうなの?…じゃあ私おにぎり作って義勇のお屋敷行く!!
義勇が外でうまくやってるか観察しに行く!!私頑張る!!」
胸の前で小さくガッツポーズして、意気込みを語ると、なぜか不機嫌そうに頬をつままれた。
―――――理不尽だ。
〜冨岡義勇邸にて〜
「炭治郎、追加であと10周走れ。嘴平はあと20週。我妻は腹筋あと100回だ」
「ヒェッ、もう無理だああああああ」
「黙れ!!」
「うわ、鬼だこの人」
言われたことを黙々とこなす炭治郎と伊之助とは対照的に、泣き言を言いながら腹筋をしているのは善逸だ。
(なんかこの人俺にだけ当たり強くない!?理不尽過ぎない!?)
にらみつけても涼しい顔で流されるだけだ。
…しかし何が一番腹が立つかって、彼がとても端整な顔立ちをしていることだ。
正面から立ち向かっても、柱である彼にかなうわけがないので、心の中で悪口を言うだけにとどめる。
(へっ、どれだけ顔が良くたって、あんなに無口で無愛想で性格鬼だったら、絶対に恋人なんかできやしな―――――)
「ちょっと義勇!!私の家に靴下脱ぎっぱなしだった!!いつになったらそういうだらしないところ治るの!?」
鈴を転がしたような声が聞こえて、善逸は思わず顔を上げた。顔を上げて―――――
「…は?」
―――――絶句した。
腰まで届く、艶やかな黒髪。雪のように白く透き通る肌と、宝石を思わせる大きな紅い瞳。
血のように赤い唇は、熟れきらぬ苺のように瑞々しく、柔らかそうだ。
年の頃は16,7歳ぐらいだろうか。少し年上のように見えるが、腰に手を当ててプリプリと怒る姿は、非常に可愛らしい。
あどけなさと艶の両居する顔立ちは、どことなく高貴な感じがして、危うい魅力を醸し出している。
―――――まあ単純に言うと、ものすんごい、超がつくほどに綺麗で美人なお姉さんだった。
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ゆき(プロフ) - #観音坂ゆるさん» 泣いてくださったなんて…!!こっちがうれしくて泣きそうです!!そうです、居酒屋のあの女性は無惨様なんです、あれっきり登場することなかったんですけど…。夢主のことお気に入りだったみたいですね (2021年1月3日 0時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ところで、居酒屋のあの女性は無惨様だったんでしょうか…? (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 最後めっちゃ泣きました( ;∀;)きゅんきゅんしたり、感動したりできる素晴らしい作品ですね!!完結おめでとうございます!! (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - まるこさん» あっ、もうめっちゃ頑張ります!コメント嬉しいです、ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
まるこ - めっちゃきゅんきゅんします〜〜!続きを心待ちにしております! (2020年11月2日 21時) (レス) id: 8f523f6a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2020年9月12日 23時