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*ようやく ページ11

訳が分からないとでもいうように、膝の上でポカーンとする義勇の顔を見ていると、少しいたずら心が沸いてくる。


背中をまげて顔を近づけると、義勇が息をのむ気配がした。
お構いなしにそのまま、彼の額へそっと唇を落とす。


今度こそ義勇は、目を零れ落ちんばかりに見開いた。「してやったり」という気分で口角を吊り上げようとして―――――

…何故か視界が反転した。

ん?と心の中で思う。確か自分は、さっきまで義勇に膝枕をしてあげていたはずだ。
だというのにどうして、今視界に天井が映っているのだろうか。



次の瞬間、私に覆いかぶさるように、義勇がこちらを見つめていた。
「…ようやく」
「え…?」
ぼそりとつぶやいた彼の言葉の意味がよくわからず、聞き返す。

「ようやく、許してもらえるのか」
何を言っているのかはいまだよく分からないが、彼のギラギラ光る蒼い瞳を見て、これは相当危険だぞと、頭の中で警鐘が鳴り響く。


「ぎ、義勇、いったん落ち着こう!?こういう時は深呼吸が一番いいってなんかよくわかんない本に書いてあった!!…なんかよくわかんない本ってなんだろ?あっ、それはどうでもいいけど落ち着くべき状況であることは間違いないはず!!」

…そんなこと言ってる自分が一番落ち着くべきなのだが。


「とにかくほら、人と人との間には会話が大事っていうじゃない?だから、こ、言葉で解決しましょう、こんな風に乗っかるんじゃなくて、言葉で―――――んっ」


…すべて言い切る前に、唇が柔らかい何かに塞がれる。
それが義勇の唇であるということに気づくのに、数秒ばかりかかった。


…初めての接吻は、体中の輪郭が曖昧になってしまったんじゃないかと思うほどに、心地よかった。



たっぷり十秒以上唇を吸われた後、やがてそっと離れる。
もう一度近付いて来る義勇を必死に押しとどめ、

「ちょっと義勇、ほんとに、待って―――――」
「待たない」

即答されて、息を吞むのは自分の方だった。

「一体俺が何年待ったと思っている」

…1年だけじゃない?年数で数えるとそんだけしか待ってなくない?



十年も二十年も待ってたみたいな言い方してるけど。


「とにかく俺は、これ以上お預けをくらうつもりはない」

着物の隙間に義勇の手がするすると入り込んできて、本気で焦る。

*自分の色→←*膝枕



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ゆき(プロフ) - #観音坂ゆるさん» 泣いてくださったなんて…!!こっちがうれしくて泣きそうです!!そうです、居酒屋のあの女性は無惨様なんです、あれっきり登場することなかったんですけど…。夢主のことお気に入りだったみたいですね (2021年1月3日 0時) (レス) id: 02cc0a4dd4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ところで、居酒屋のあの女性は無惨様だったんでしょうか…? (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 最後めっちゃ泣きました( ;∀;)きゅんきゅんしたり、感動したりできる素晴らしい作品ですね!!完結おめでとうございます!! (2021年1月3日 0時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - まるこさん» あっ、もうめっちゃ頑張ります!コメント嬉しいです、ありがとうございます! (2020年11月3日 8時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
まるこ - めっちゃきゅんきゅんします〜〜!続きを心待ちにしております! (2020年11月2日 21時) (レス) id: 8f523f6a9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきのふ | 作成日時:2020年9月12日 23時

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