１０１．side S ページ2
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「それで…
先輩は弁護士になって何をするつもりなんです？」
「犯罪被害者の権利と被害回復のための活動をする。
俺はこの国の司法制度を変えたい。
二十年は進んでいると言われている欧米諸国並みに。
刑事訴訟法は、公共の秩序を守るためだけに存在するのではない、犯罪被害者とその遺族のためにあるんだという、当たり前のものにしたいんだよ」
淡々とした口調だが、岡田さんの深い憤りが伝わって来る。
「最近になって、刑事事件の被害者の負担を軽減するために一つの制度が導入された。
それは、刑事事件を担当した裁判所が引き続き損害賠償請求についての審理を行い、加害者に賠償命令をするものだ。
ごく当たり前のように思えるだろうが、これまでは、刑事は刑事、民事は民事というそれぞれ独立した関係にあって、加害者に賠償を求めるためには、被害者側自らが民事訴訟を起こさなければならず、時間的にも労力的にも大きな負担を強いられていた。
これは被害者側の声が届いた好事例だ。
俺が言いたいのは、法の改正は容易に出来ないが、運用は変えられるということ。
そのためにも、被害者側の声を挙げ続けることが必要なんだ」
「…でも、それって弁護士の仕事として成立するんですか？
あくまで非営利的な『活動』ですよね」
「そのとおり。
俺がやろうとしているのは一円にもならないことだよ。
この活動と矛盾しないよう、俺は刑事事件の被疑者の弁護は一切しない。
被害者側の代理人として、もっぱら損害賠償請求を請け負うつもりだ」
「というと、刑事ではなく民事専門の弁護士になるってことですか？」
「母は民事専門の弁護士だから、幸い身近に手本がある。
だが、俺も生活していかなきゃいけない。
企業法務を生活の糧にするつもりで、猛勉強中だ」
犯罪被害者から報酬を得ることはそもそも考えていないから、合併・買収や独禁法、商取引等の法律事務を執り行う「企業のための弁護士」になるってことか…。
コンプライアンスや権利の保全が社会的に重要視されている昨今、企業法務は欠くことの出来ない重要な仕事だと思う。
だがそれは、岡田さんが本来目指していた道ではないはず。
智くんにとっても。
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kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、その通りです！今、誤字脱字その他の最終チェックをしておりますので、もうちょっとだけお待ち下さいね〜♪ (2014年9月7日 13時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 次パートはパスが取れるのを待っていればいいのかな？ (2014年9月7日 13時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、はやい！ついに追いつかれてしまいました〜！本当に有り難うございます。通しで読んでいただくと、思いつきで書いてるのがバレバレですね(^_^;)このあと次パートに更新する予定ですので、引き続き宜しくお願いいたします♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 美夏(´･∀･`)さん» 美夏(´･∀･`)さん、はじめまして♪コメント有り難うございます。おお、リアル桜荘ですか(^_^)昭和な感じがしますね〜♪「桜の木〜」のシリーズは随分長い物語になりましたが、今回は一応完結編のつもりで書いています。最後までお付き合い下さると嬉しいです♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 翔ちゃんのお口いっぱい頬張る描写とか、おかしくって楽しくて、149まで読み終わりました。また次を楽しみにしています。 (2014年9月6日 9時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2014年7月19日 16時
