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カチャリとドアが閉まった音に我に返って、智くんを問いただす。
「智くん。
あの人、誰！？」
智くんは困惑しながら言った。
「……あれが例の図書室のオーナーだよ…」
やっぱりそうか。
「その人がなんでここにいるの？
あなたが知らせたの！？」
「まさか。
点滴でウトウトしかけたんだけど、全然眠れなくって…
……目を開けたら、あの人がいた。
マジにビックリした…」
どういうことだ。
「後を尾けられたんじゃない…！？
変だと思わなかったの！？
石破さんや本田さんは！？」
マネージャーが二人も付いてて、何をやってるんだ。
具合の悪い智くんを一人にして、あんな得体の知れない奴の好きなようにさせて。
頭に完全に血が上っていた。
俺は、ベッドの上の智くんを、掴み掛からんばかりの勢いで質問攻めにした。
「……ごめ……っ」
智くんは真っ青な顔で何か言おうとしたが、次の瞬間、口元を押さえた。
「…！？
智くん…？」
慌てて名前を呼ぶと、彼はその端整な顔を苦しそうに歪めた。
「気持ち悪い…」
智くんは震える声で訴えると、毛布を撥ね除け、腕に刺さっていた点滴の針を乱暴に引き抜いてしまった。
「どうしたの！？
ちょっ…！
待って…！！」
止めようとする俺の手を振り払い、口元を押さえながら、裸足で廊下に飛び出した彼を追う。
智くんは、壁に手をつきながらも廊下の先のトイレに駆け込んで、個室に滑り込んだ。
便器に向かって嘔吐しようとしたが、殆ど何も食べていない彼の胃袋から出て来くるものはない。
激しくえずき、苦しげに僅かな胃液を吐き出す…
その背中を擦ってやることしか出来ず、おろおろとしていると、廊下から本田さんが智くんを呼ぶ声がした。
「本田さん！
トイレです！」
丸めた華奢な背中を必死に擦りながら、廊下に向かって大きく声を張ると、バタバタという足音とともに、本田さんと石破さんが走って来た。
「あっ！
大ちゃん…っ！？」
「翔くん…！？
どうしてここに！？」
どうしたもこうしたもない。
俺は無性に腹が立って、二人に怒鳴った。
「あんたら、この人ほっぽって、いったいどこに行ってたんだ！
処置室にヘンな奴が入り込んでたんだぞ！！」
二人は俺の剣幕と智くんの苦しげな様子に仰天している。
「せ…先生を呼んで来ます…！」
本田さんが踵を返して走って行った。
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kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshikoさん、はじめまして！コメント有り難うございます♪薄気味悪い物語で恐縮です。智くんが受難続きですが、翔くんやメンバーが頑張ってくれますので、是非とも最終話までお付き合いくださいませ。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします♪ (2014年8月20日 12時) (
レス) id: e9eb502708 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - はじめまして！ 山が好きでこちらへ辿り着きました。なんか怖いんですけど・・ドキドキして目が冴えてきたけど途中でやめますか。もう寝ないと明日の仕事に。でもたのしみです。ありがとう！ (2014年8月20日 1時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - つっきー♪さん» つっきーさん♪お読み頂き、また、コメントを有り難うございます。本作は続編を含めると結構長い作品です。不気味な物語で恐縮ですが、宜しかったらお付き合いください♪矛盾点はどうかお見逃しを！σ(^_^;) (2014年2月4日 19時) (レス) id: e9eb502708 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー♪ - オーナーが怖いですね 私だったら耐えられません kotorixさんのお話とても面白いです (2014年2月4日 18時) (レス) id: f90ae1b507 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - ありあけ。さん» ありあけ。さん♪お読み頂いて有り難うございます♪不気味なだけの物語にならないよう頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します♪コメント嬉しかったですm(_ _)m (2013年1月8日 7時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2012年12月15日 16時
