チクチクハート (ページ33)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:61,609 hit

・ページ33

Side 廉

「さっきって何？なんか喋ってたん？」

するとクスクス笑って平野くんに話し出す二宮。

「なんか・・・・よくわかんないけど、永瀬くんは私の味方なんだって。優しさは無償提供なんだって～。優しいでしょ？なんでそんなに優しいの？って聞いたら、『俺のサックス聴いてくれるし、イケメンさに動じないから』だって。なんかいちいちセリフがウザくない？爆笑」

とうとう爆笑してしまった二宮に俺と平野くんは呆然としてしまった。だって、こんな笑う二宮Aを始めて見たから。

でも平野くんもすぐに頬を緩めて
一緒になって笑い出した。

「ふはははは、永瀬くんってそんな事言うん？っていうか、サックスって何？どっかで吹いてるん？・・・それを二宮Aさんが聴いてるってこと？」

あ、その説明からせなあかんにゃった。

・
・
・
・

「そうやったんやー。だからいっつも大きいバッグ肩にかけて持ってきてたんやね？俺も聴いてみたいな～」

「平野くん、部活行くから無理やん！ま、部活ないときにでも河原においでよ。」

「ふふ、そうする。二宮Aさんと一緒に行くわ！そや、二宮Aさん・・・・連絡先教えてくれへん？」

おぉ、何事もさり気ないからびっくりする。
携帯を出した平野くんは、なんの躊躇いの表情もなかった。

「あー、良いんだけど・・・家電だよ？
私、携帯持ってないから。」

良いんや・・・
ってか携帯持ってへんって・・・

「そうなん？永瀬くんと一緒やん！」

うん、俺も持ってないねん。