武器商人さんと！ (ページ2)

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月明かりが差し込む倉庫内に数人の人の気配。

「うちの社員にする。」

「はああああ！？｣
「なああああああっ！！！！」

眼鏡をかけた長身の男__国木田の抗議の叫びに新しい声がかぶる。

「！？」

その場にいた者達は振り返るが、声の主はそんなのはお構い無しに呆然としていた。

「あ、Aくん」

「お！ま！え！はぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」

Aは太宰を認識するとずんずんと大股で歩み寄りグワシという効果音が似合うほど勢いよく胸ぐらを掴んだ。
だが、Aと太宰は約20㌢もの身長の差があるためAは太宰を見上げ、太宰はAを見下げる形となっている。

「俺言ったよなぁ！？絶ッ対に荒らすなよって！！
どうしてくれんだよ！！この惨状！！！」

この惨状とは太宰の後に広がっている光景であろう。
綺麗に積み上げられていた木箱は崩れ、中には木箱自体が割れ中に入っていた銃が散らばっているものもある。

「………、ごめんね？」

「ごめんですんだら軍警もポートマフィアもいらないんだよ、、はあぁぁ無駄に仕事増やしやがって……これ納期来週なのに……」

「うう…あれ？……僕は……」

Aがぶつぶつ呟きながら片付けに入ろうとした時今まで傍に倒れ込んでいた白い少年が呻いた。

「Aくんの声で敦くんが起きたみたいだ。」

「俺のせいかよ、てこいつ例の虎か」

「え、虎？」

「変身中の記憶は全くなしかい……」

「……なんのことです？」

「右手右手」

「右手？」

敦と呼ばれた白い少年はAの言葉通り自分の右手を見ると、もふもふの白い毛並みに覆われた立派な爪のついた虎の手があった。

「ええええええーーー……！なに、なになに、なにこれなにこれなんだなんだなんだ！」

「成程、全部察した｣

Aは倉庫の現状の元凶を察し、余計にゲンナリした。

「中島敦！」

「！！」

「これより君は、私たちの仲間になれ」

「……？」

「今日から君は、武装探偵社の一員だ！」

「……はい？」

これは魔の都市ヨコハマにある武器庫を営む少女とその周りの人間によって繰り広げられる怪奇譚