★楽天家族★ (ページ2)

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・準備ページ2

　さて、何作ろうかな。
　腕組して考える。冷蔵庫から目がそらせない。

「なに冷蔵庫とにらめっこしてんだ…」
　お兄ちゃんがやっと布団から出て来た。

「おはよ。朝ごはんどうしようかと思ってさぁ」
「味噌汁飲みたいなぁ俺」
「うーん…でも味噌汁の具になるようなの、ナスしかないんだよねぇ。ひじりー、ナスの味噌汁きらいなの」
「…なんで聖澤？」

　お兄ちゃんが訝しそうに私を見た。
　なんかひじりーの話するとこうなるんだよな…。
「朝ごはん食べてくって」
「またかあいつは…」

　大きなため息が出た。何もそんなに大げさにやんなくてもいいと思うんだけど…てか、おはようも言ってもらえてないんだけど‼

「いいじゃん、べつに。お兄ちゃんははやく準備して。味噌汁作っとくから」
「……ん」

　不機嫌になって、お兄ちゃんはふすまの奥に消えた。

　★

　こんこん。
　隣の部屋の戸をたたく。返事はない。

　寝てんなあいつ…。

　ごんごんっ！

「はぁい…」
　眠そうな声が聞こえる。

　

　…あれっ？
　ちょ、扉開かないんだけど！？

「たけろーっ？」
　強くもう一回戸をたたいた。やっと、扉があいた。

「A…どしたの、おはよう」
「どしたのじゃないでしょ、おはよっ。ねぎある？」
「ねぎ？なんで」

　豪郎は目をこすって聞いてきた。

「味噌汁つくるの。食べに来ていいから、貸して？」
「…食べに行っていいなら、まぁ」
　唇を突き出して、にやっと笑う。嬉しそうだな、と思った。