第29話 ページ31
「そおおおおおおおおごおおおおおおおおお。てーんめぇ…」
先程私を抱きかかえた、黒髪で煙草をふかしていた男だ。
彼は、絶叫する。
「何しやがんだゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「トシィィィィィィ!?何やっちゃってんのオォォォォォッ!?」
突然、この場は混戦の現場となった。
腰に組み付き、刀を抜き、振り回して、避ける。地面を蹴って殴りかかり、それもまた避ける。
どうやら、飛んできた黒い塊は『そうご』という人間らしい。
飛んできたのは障子からで、今はあとかたもなくボロボロだ。
だが、よく見ると障子には人型がついている。
なにをどうしたら人がそんな体勢で飛べるのか。
そんな疑問も、この混戦の場では考えるだけでも危険だった。
「そんな眉間にしわ寄せるぐれぇなら、いっそ彫刻刀でしわを刻んだ方がいいと思うんですけどねィ」
「アホか総悟ォォォ!出血大量で死ぬわぁぁぁぁ!」
「トシィィィィィ!総悟ォォォォォォ!ちょっと待って今お嬢さんがいるからぁぁぁぁ!!」
もうなんだこれ。
今のうちに逃げられるかもしれない。
だが、もう既に隊士が大勢集まってきたみたいで。
「ちょッ…局長、副長、沖田隊長!何やってるんですかあああああ!」
「野郎ども、かかれええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええぇぇッ!!!」
「上等だ来いやああああああああああああああああああああああ!!」
◇
コトリ。
先程とはかわり、一段上等の客間に通された私は、戸惑う。
先刻の混戦とした場から移動したものの、重い空気は拭いきれない。
背中に冷たいのか熱いのか分からない汗が伝うも、意地でも表情には出さなかった。
目の前には、ゴリラに似ているあの男と、地味な顔をした黒髪の男。
近藤と、山崎の名乗った彼らは、心底申し訳なさそうに苦笑いで言葉を紡いだ。
「えー…と。先程はスミマセンでした。煙草吸ってる人は副長なんですが、耐性が無い
人で…。とにかく、落ち着いて、深呼吸して、安心して、聞いてくれませんか?」
「ザキィ。本当に大丈夫なのか?その…怖がれられたりしてないか?」
ぶっちゃけ、あの光景を目の当たりにして怯えない女が、どこにいる。
そう言いたいのを堪え、私は山崎という男の瞳を見据える。
とっとと喋ろ。足が痛い。
内心で思うも、彼はイエスと捉えたらしい。
重々しく、口を開いた。
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飴崎 - ルーンさん» ありがとうございます〜。現状維持できるように頑張ります! (2015年2月7日 18時) (レス) id: 69cad8d3b5 (このIDを非表示/違反報告)
飴崎 - 英さん» ありがとうございます!今すぐ取り掛からせていただきますね! (2015年2月7日 18時) (レス) id: 69cad8d3b5 (このIDを非表示/違反報告)
飴崎 - バトラッシュさん» 頑張らせていただきます!読んでくださって本当にありがとうございます! (2015年2月7日 18時) (レス) id: 69cad8d3b5 (このIDを非表示/違反報告)
ルーン - とても面白いです!続編楽しみに待ってます! (2015年1月22日 2時) (レス) id: 04550145ac (このIDを非表示/違反報告)
英 - 面白かったです!続編楽しみに待っています! (2015年1月21日 7時) (レス) id: b6fd32bf94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴崎 | 作成日時:2012年8月6日 14時