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第18話 ページ20

「・・・っじゃないでしょーが、馬ッ鹿か私は・・・」

買う。買われる。買われた?私が、この私が。春雨・・・に。他でもないこの私が。

―――理解が追いつかない。

―――私は、今、“どこ”に・・・。

―――何故?























ピチャンッ

















「――――――――――――――――――――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・?」


異様な音が、空気を震わせた。

頭を何かで叩き割られたような錯覚を抱く。

それでも、聴覚は正常に働き続けた。

―――ピチャン、ピチャン、ピチャンッ

――――ピチャンッ

―――――――――――――――――――ぎいぃいッ、ぎいッ、ィ

床に叩き付けられる水音に、“木が軋む”ような音が新たに被さる。

空気が鉛に変わったように、身動きが取れない。

音は、確かに聞こえる。

――――――――――・・・真横、から。

ぎい、ぎい、ぎい、ぎい、ぎい、ぎい、ぎい、ぎい・・・ぎぃイいイイぃ、ぎぃ







女が、揺れて、いた。







すぐ横にある、曲がり角。

その先に、女が揺れていた。

その女の首には縄があり―――その先は太い木の柱に結ばれている。

―――ぴちゃんッ

足の間から流れている糞尿の雫が、床で爆ぜる。

女の首は骨が曲がり、抜け、歪んでいた。

そして、縄によって絞られている。

顔は膨張し、蒼白になっていた。

苦悶の表情のまま固まった口内からは、鬱血した舌が軟体動物のように、そこにあった。

着物から伸びる手足は豊満で―――しかし薄気味悪い。

眼球は飛び出し、片目は床に既に落ちていた。

ピチャンッ

再び、糞尿が床を叩く。

頭から垂れ下がるように揺れている黒髪は、海の中の海草に似ている。

重たそうに揺れる頭部を、冷たそうだな、と素直に思った。

更に言うならば、硬そうだなとも思う。

その顔面に刃を入れれば、何とも分からない液体が大量に出てくる事だろう。

―――――女の首吊り死体が、あった。

―――――ただ、それだけの事だった。

「・・・う、ァ・・・・・ェッ」

胃液が競り上げる。酸味の味が口内を満たした。

死体がそこにある。腐敗した肉が目の前に。腐り果て、変色した柔らかな肉が。体液に混じって。

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飴崎 - ルーンさん» ありがとうございます〜。現状維持できるように頑張ります! (2015年2月7日 18時) (レス) id: 69cad8d3b5 (このIDを非表示/違反報告)
飴崎 - 英さん» ありがとうございます!今すぐ取り掛からせていただきますね! (2015年2月7日 18時) (レス) id: 69cad8d3b5 (このIDを非表示/違反報告)
飴崎 - バトラッシュさん» 頑張らせていただきます!読んでくださって本当にありがとうございます! (2015年2月7日 18時) (レス) id: 69cad8d3b5 (このIDを非表示/違反報告)
ルーン - とても面白いです!続編楽しみに待ってます! (2015年1月22日 2時) (レス) id: 04550145ac (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!続編楽しみに待っています! (2015年1月21日 7時) (レス) id: b6fd32bf94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飴崎 | 作成日時:2012年8月6日 14時

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