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episode2 ページ2

大学時代に講師として勤めていた学習塾。
近所では評判が良く、特に高校生が多く通っていた
長期休暇になると一日何十人と出入りするほどだ

見た目が派手な子も何人かいたが授業になると真剣な姿勢のため、私もやり甲斐を感じていた


「学年トップ、これで2回目だね〜」


成績表を塾に提出するのは学生にとって鬱も同然。
私も学生時代はその都度顔を歪めていた


だけど一人。
その子はいつも嬉しそうに私に成績表を渡してきた
並ぶ数字はどれも同じ「1」

これぐらいの成績ならもっと有名塾に通えるが、家から一番近くここが通いやすいそうで
授業が無い日も彼は自習に来ていた


高校生といえば遊びたい年頃だろうに彼は真面目で熱心な生徒だった
女子にはモテそうな外見だけど勉強以外にはとことん興味が無かったようで。



『先生のおかげだよ』



私が彼を誉める度、彼は私に向けて笑みを浮かべていた
クールに見える彼がニコニコと微笑むと年下だと分かっていてもときめく
塾講師としてもやり甲斐を感じていた


高校2年の春から通っていた彼とは卒業までの約2年間一緒に過ごしていた
生徒を特別扱いしてはいけないと思いつつも
何年経っても彼のことは忘れられないと思う



りえ:かっこよかったんだ?
「派手ではないけど華やかな顔立ちだったと思うなあ〜思い出は美化されるって言うけどそれでもかっこよかったと思う」


隣で受付業務に励むりえとはかれこれ2年の付き合いだ
中小企業の受付嬢として働き始めて2年も経つのか
人生で初めて挫折を味わって2年。


子供の頃から勉強は得意で人付き合いも上手い方だと思う
親の期待に応えるように有名大学に入学し、大手企業に入社できた。
学生時代も付き合っていた人は何人かいた。
トントン拍子に進む人生だったが27歳の私はその企業にもおらず実家にも暫く帰っていない



「人間ってどっかで挫折する設定になってるのかね」


午後からのアポイントメントを確認しながらりえと恋愛の話を交わす
類は友を呼ぶとは言うが、りえも同じようにマッチングアプリで彼氏を見つける日常
二人とも20代後半ともありもちろん結婚願望もある。

ここ数年で結婚という選択が当たり前ではない世の中であることもあり「もちろん」と断定するのはあまりよろしくない気もするが、それでも私は大恋愛の末に結婚したい
「もちろん」隣にいる彼女も。


りえ:で?次の相手は?
「あ。今日会うことになってるよ」

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設定タグ:横浜流星 , 俳優   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:やっこちゃん | 作成日時:2021年3月6日 18時

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