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episode3 ページ3

身長180cm,大学病院勤務の32歳。
顔も男前な今回のマッチング相手


“へえ、〇×商事にお勤めなんですね”
「ええ。お近くですね」


行く場所はあらかじめ彼の方から提案され、駅から歩いて向かう最中だ
何でもいい、どこでもいいと提案を放棄する男もいる中で文面でも紳士的な彼に惹かれた


カチャカチャ…



ホテルの最上階レストラン。
疎い私でもさすがに知っている有名なレストランの夜景の見える席を予約してくれていた
出てくるコース料理も一つ一つが作品のように細々と並べられている


「美味しいですね」
“よかった。Aさんなら喜んでくれると思っていたよ”
「嬉しいです。」



「恋愛」と「結婚」
それは学生の頃から別物だと思っていた
恋愛の末、結婚する友人を見て不思議に感じていた
将来安定するかも分からない高校や大学の友人と結婚して、結婚後に愚痴を漏らす姿を見て。
私だったら愚痴を漏らさないそんな相手を選んで結婚を前提で付き合いたいものだと

恋愛をするのは学生まで。社会人になったら結婚相手を選ぶものだと。


…まあ、それで失敗したんですけども。


失敗から学んだことは身近な人と結婚を前提に付き合わないこと。
また失敗した時に失う代償が大きすぎる


“この後…部屋を予約しているんですが。”


…と言いつつも、求めているものが多いのか
初めて会った日に致すことを求める男性には引いてしまう


そっと手を重ねられ、やる気満々なのか



「…今日はちょっと。」
“この後約束でも?”
「……」



困った反応を見せると重ねていた手をそっと自分の方へ戻した。
そうか、食事よりもこの後が目当てだったのか
私も同じ意見だと思われていたのかな
そう思うと気持ちはまるで滑り台のように降下する一方だ

別にアプリをやっていれば珍しいことではない


だけどそれ目的で相手を探しているわけではない



「…ごめんなさい」




きっと冷めたのは相手も同じだろう
どれだけ話が盛り上がっても初対面。
嫌な部分が見えれば次に進む気にもなれない

だからいつまでも恋愛にすらならず、気付けば27になってしまった




食事を済ませるとホテルの前に彼はタクシーを呼んでくれた
“気を付けて帰ってね”
そう言いタクシー代と一万円を渡してきた

なんとなくもう次に会うこともないだろうとお互いに察したと思う
素敵な人だけど、私には合わないんだ



「…結婚ってどうやってすんの…」



タクシーの中で漏らしたのがその一言。

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設定タグ:横浜流星 , 俳優   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:やっこちゃん | 作成日時:2021年3月6日 18時

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