二話 純白の翼 part1 ページ6
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「っひ、ぁああ……」
悲鳴のような声を上げながら、ユウは細い身体を跳ね上げた。
誰にも許したことの無い身体を今、出会って一週間とない
味わったことの無い感覚に、抑えきれない声が何度も上がる。
――男、なんだよ。気持ち悪いよね？
ユウを抱きしめ、そう哀しそうに笑ったアイリに囁いた。そんなことない、綺麗だよ、と。朝のように甘えられて、ユウは彼の頭を優しく撫でていた、のだが。
そこから先は坂を転げ落ちるようだった。キスをされて、押し倒されて、何が何やら分からぬままにぐずぐずに蕩かされた。
こんな姿、天界の仲間たちには絶対に見せられない。
曖昧になりつつある意識の中、ユウはアイリの手の中で身体を震わせていた。
どれくらい経っただろうか、何度も喘がされ力の入らぬユウの肩に、アイリの暖かい手が触れる。
「ごめん、ね。大丈夫……？」
その問いに、かすれた喉のかわりにユウはこくりと頷いた。
アイリは力の入らないらしいユウの体を抱き寄せて、頭を撫でながら彼の耳に囁く。
「……ごめん、もう一つだけ聞いて欲しいことがある」
「ん？」
「もう一晩いて欲しいとかじゃないよ。ただ、翼、見せて欲しいなって」
ああ、そんなことかとユウは心中で呟いて、ユウはアイリから離れる。疲労困憊というのが的確で指先を動かすことすら億劫だったが、ユウは彼の為に神力を循環させる。
少しだけぎこちなかったが、ぱさりと、三対の羽根がその背に現る。
淡く輝く純白の翼にアイリは恐る恐る触れると、ほうと溜め息をついて後ろからユウを抱きしめた。
「すごく……美しい。綺麗だ……」
ユウはアイリの声を、心地よい微睡みの中で聞いていた。
そうして。
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作者名：ゼファー | 作成日時：2021年1月14日 13時
