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107. ページ7

轟音が響く。
・・・白く綺麗だった姿など見る影もなくただ水を噴水のように吹き出している便器と洗面台。ひしゃげた個室の扉。それと、蜘蛛の巣状にヒビが広がった鏡。
呪霊が消え去った後、残っていたのはそれだけだった。

「・・・・・・。ク〇シアン呼ばないと・・・・・・。」

しんと静まり返った便所に響く声はひどく虚しかった。

後日、「啜り泣きの聞こえるトイレが半壊して使用不可となった」という情報を掴んだ時光から「ほ、ほんとにゴリラだったんだね・・・・・・・・・。」とナチュラルに失礼なことを言われるのは別の話。




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「・・・セイヨーヘイヨー、そのショッカクぶち抜くyo!」

おかしなテンションでデビルサインを掲げたAは五十嵐の前にしゃがんだ。
トイレ騒動から少し経って、Aが見回りを行っていた頃。何やら言い争う声が聞こえたAは、士道の姿を捉えてまず最初に放ったのが冒頭の言葉である。
辺りを見回したAは取り敢えずは五十嵐が今回の被害者なのだと判断した。

「あり、Aちゃんだ〜!なになに、俺に会いに来てくれたの?」

「多大なる勘違い」

士道は五十嵐の様子を確認するAに近寄り、ニッコリ笑って言った。まるで悪魔の様なその笑みに、Aは間発入れずに返した。
・・・五十嵐に異常は無さそうだ。

「あんま問題起こさないでね、選手の揉め事何とかすんの私の仕事だから。」

「努力しまーす。」

「・・・。」

明らかに思っていないことを口にする士道。Aはジト目で彼を見つめていたが、その視線を気にすることなくその場をさっさと出ていってしまった。

「・・・お疲れ様。」

「その優しさが染みるよクニガミ・・・。」

コツンと拳がぶつかる。グータッチを決めた2人の目は遠かった。
・・・それにしても、あの士道と戦うとはこの2人、大丈夫なのだろうか。

「(選手に肩入れしすぎるのは良くないなぁ、転換転換・・・。)」

Aは渦巻く不安を無理矢理打ち消すと、未だクマの残っている御影をはたと見やった。心做しか、この前よりも疲労が浮かんでいるようにも見える。

「(選手のメンタルケアはマネージャーの仕事・・・ね。)」

あの時は御影も辛かっただろうに、彼はAに気を遣ってくれた。それなら今度はAが御影に寄り添う番だ。
御影だけに留まらず、國神もAに優しくしてくれた。それに態度に出していないとはいえ彼も少しは精神が疲弊しているはずだ。

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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです!!こちらこそありがとうございました! (3月31日 17時) (レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました!最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます! (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます!最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます・・・(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!ここまで読んで頂き感謝しかないです・・・!!返信遅くなって申し訳ない・・・。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます!ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます!!! (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raiz | 作成日時:2023年3月25日 23時

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