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104. ページ4

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「(そろそろ1人じゃキツいけど・・・。増援は望めないだろうなぁ。)」

はーあ、と大きな溜息を吐いたAは、トイレの中へ歩を進めた。
この任務は、今のところAでも選手にあまり実害を及ぼさずに遂行することの出来るものだ。だから、今のところ万年人手不足な呪術師の中から増援が来ることはほぼ無いと言えるだろう。あくまで今のところ、の話ではあるのだが。


「(んー、呪霊の声が非術師に聞こえてるのはあんまり無い事例だけど・・・。まあ祓うことには変わりないよね。)」

すん、すん。絶えず鼻を啜るような音が聞こえる個室の前へ立ったAは、ショルダーバックの中に突っ込まれた武器を掴んだ。

Aはブルーロックへ来てから、五条に強請ったものがあった。それは四次元ポケットならぬ、「四次元ショルダーバッグ」だ。本来はこんな名前では無いのだが、呪術界ではもはや完全にソレだろうとそのように呼ばれていた。この呪具はお察しの通り四次元ポケットのバッグバージョン、といったような物で、バッグの中にほぼ無限に世界が広がっているというものだ。

Aの術式は、とてつもなく呪力消費が多い。万物操作、と聞くと非常に万能で使い勝手がいいように思えるが、実際そんなことは無いのだ。

空間内にある物質を移動させたりすることはそこまで苦にならない。呪力消費もそこまで、といった感じだ。しかし空間内に無いものを作り出したり、逆に消したりといった「構築術式」の上位互換のような事をすれば、途端に呪力消費が膨大になる。
Aの呪力は五条と競る位の量だ。しかし、それでも高い等級の呪霊を術式を使って何十、何百体も祓っていれば当然呪力は尽きる。どれだけ呪力が多くとも、六眼を持つ五条ではないのだ、底は必ずある。

・・・そこで出てくるのが、呪具という訳である。Aの様な呪力の燃費が悪い術式持ちの場合、呪具を持っている術師は多い。Aが白宝へ潜入していた際、銃やダガーを持っていたのもそういうことだ。
ただし、銃やダガーでブルーロックに湧く呪霊を祓い切れるかと問われれば、Aは歯切れ悪く唸ることしか出来ないだろう。なんと言っても、数が多い。大量の呪霊と向き合うこともあるのだ、銃を乱射して掃討する訳にもいかないし、かと言ってリーチの弱いダガーで攻撃していれば埒が明かない。

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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです!!こちらこそありがとうございました! (3月31日 17時) (レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました!最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます! (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます!最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます・・・(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!ここまで読んで頂き感謝しかないです・・・!!返信遅くなって申し訳ない・・・。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます!ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます!!! (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raiz | 作成日時:2023年3月25日 23時

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