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140. ページ40

「は・・・?A、」

それを見ていた凪が、小さく零す。
血塗れで横たわる姿が、知らない記憶と重なる。

じじ、と焼き切れた記憶が繋がって、元に戻っていく感覚。次の瞬間、凪は走り出していた。
潔も千切も、全員が横たわるAに向けて走っていた。

ぼろぼろと崩れていく氷月の体を払い除け、真っ先にAの元へ辿り着いた凪は彼女の体を抱き起こす。

目は閉じられていた。口にはべっとりと血が付着していて、腹には風穴が空いているし、心臓から今も絶え間なく血が流れ続けている。

「ねぇ、やだ・・・!!A!起きてよ!」

次々とAの元へ辿り着いた選手達が、Aの姿を見て息を呑んだ。

「凪・・・!!もう、やめろ」

ぐ、と凪が掴んだAの肩にかける力が増した。御影の言葉がやけにすとんと頭に落ちていく。

「ッ、即死、だ・・・。あの時Aは傷を治してたけど、もう・・・」

「思い出したんなら解ってよ・・・!Aはこんなんじゃ死なないじゃん、変な赤鬼も倒してたじゃん・・・!!」

「おいお前ら、喧嘩すんな・・・!!」

二人の言い争いを止める潔の声も、震えていた。
するとAの周りに集まる選手達がざわめきと共に道を開ける。その先を見れば、絵心が早足で近づいてくるのが見えた。
片膝を着いて、脈拍と呼吸を確認する。

「・・・___。
ダメだ、もう・・・呼吸も脈拍も、止まってる。出血も酷い・・・」

「ぅそ・・・。うそだよね、Aちゃん・・・」

帝襟の嗚咽が、響く。選手達が鼻をすする音も、遅れて響いた。

「は・・・?なあおい、起きろよ・・・。
クソ兄貴に変な事言いやがったの、まだ許してねぇんだよ俺は・・・!!」

「これ、夢?・・・現実じゃないよね、こんなサガること・・・ッ」

「どうして___」

「クソ・・・、!」

選手達の声は、皆震えていた。
全員、Aに恩があった。話すこともあったし、時には言い争ったりすることも。

今更この鬼はなんなんだだとか、そんな事を訴えられる状況ではなかった。
皆Aの死を悔やみ、悲しみ、そして何も出来なかった己の無力さを呪っている。

「なぁ、真希・・・」

「ッ、るせぇ、こんなん・・・!別れの言葉も言わずに・・・!!」

「ッ、ごん、ぶ・・・ッヅナマヨ・・・?」

高専一年生の三人も、Aの死に驚きが隠せなかった。

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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです!!こちらこそありがとうございました! (3月31日 17時) (レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました!最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます! (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます!最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます・・・(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!ここまで読んで頂き感謝しかないです・・・!!返信遅くなって申し訳ない・・・。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます!ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます!!! (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raiz | 作成日時:2023年3月25日 23時

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