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言わずもがな、Aは顔立ちが整っている。
まだ幼さの残るあどけない顔に小柄な体。庇護欲や母性が掻き立てられるような言動も好かれやすいポイントの一つである。
そういう要因があったからか、Aは女性呪術師からとんでもなく可愛がられていた。任務で一緒になった女性術師からお菓子を貰うことなど日常茶飯事だったほどだ。Aを怖がって近づかない術師もいたが。
とある女性一級呪術師二人は語る。
「Aは私の癒しね。五条で溜まったストレスを浄化してくれる唯一の存在よ・・・。」
「キャラメルをあげると頬を真っ赤にするんだよ。それがあの安さで買えるのは良いね。」
・・・とのこと。とにかくAは女性人気が高かった。Aはキャラメルとキャ○ツ太郎をくれる冥冥と歌姫が大好きだ。勿論人となりも好きである。
話が逸れたが、教室に居た八割の女子はAにハートを奪われた。残りの二割はと言うと、まあ女子は怖いということである。
好きになる人間が居るということは嫌いになる人間も居るのだ。
これが「彼」のいるクラスでなければ、もしかしたらAに嫌悪感を持つ人間は少なかったのだろうか。
「じゃあA・・・ええと、席はぁ〜・・・御影の隣が空いてるな。おーい御影、手ぇ挙げろ〜。」
担任がそう言い、Aは生徒たちに目を向ける。すると、一番後ろの席から手が挙がった。
___見れば、紫色の特徴的な髪をした男子生徒が、にこやかに手を挙げていた。
数々の女子生徒から羨望の目を向けられる。この男子生徒、御影 玲王は顔立ちがとてつもなく整っていた。
Aは「これ漫画で読んだ展開だ!このあと水とかかけられたりするやつだ!」と心を踊らせた。本来この状況で心は踊らないのだが。
Aは担任からの連絡を聞きつつ、なるべく邪魔にならないよう荷物を整理する。
そして席につこうとした時、御影が口を開いた。
「よろしくな、Aさん。俺は御影 玲王。」
「・・・ウン、よろしく・・・?」
「ふは、何で疑問形?」
Aは何だか御影の中に違和感を抱いた。
この笑顔は、作られたもののような。・・・しかしAは「まあいっか」と考える事を放棄した。これもまた思考を停止できる便利な言葉である。
Aの任務はこの高校に潜む特級呪物の捜索だ。
これから恐らく長丁場になるであろうこの任務に、Aは上手くやれるだろうかと考えるのだった。
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raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね・・・!小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます!これからも頑張りますね!! (2023年2月27日 22時) (レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です!音のソノ○ティにツボって先に進めません!更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます・・・!!続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね!(*`▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月7日 22時