36. ページ36
.
それから振替休日を挟み、また何時も通りの日常が戻ってきた。
・・・つまりは、また呪物探しに追われる日々が来る、ということだ。八方塞がりとなってしまった任務だが、ここで投げ捨てる訳には行かないのだ。
「(つっても、どこにあるんだろ・・・。どこにも見つからない。)」
どうしたものかと考えつつ、部活へ向かうA。
マネージャーの仕事も大分出来るようになってきた。というか元々Aはそういうことに関しては得意だったのかもしれない。
仕事内容に関しては紙にまとめてしまえば1枚の写真として覚えてしまえる。
怪我の処置は呪術師という職業に就いているだけあって応急処置等もするし、覚えることは少ない。
部員の体調管理なども、「普通のとき」の顔色、歩き方、仕草などを覚えてしまえば怪我や体調不良を見抜くのなど簡単だった。
・・・だから、Aは部員の異常にいち早く気づいた。
「(今日は何か・・・、皆動きが悪い。顔色も何時もと違う?レオとかセイとか・・・一部の人は何時もと変わらないけど。)」
でも、確かに大半の生徒の様子が可笑しい。何か変だ、とそう思ったAは、1人の部員の肩をちょんと叩き、声を掛ける。
「ねぇ、ダイジョーブ?」
「あぁ、・・・いや、何かずっと頭がガンガンしてて・・・。風邪かな。」
部員はこめかみ辺りを抑え、笑おうとして失敗したような顔をした。
「まぁ、ちょっと風邪気味なだけ・・・だろ、うから・・・??」
「!!」
その時、部員の体がふらりと傾く。それをAが抱き留めたことで頭を打つなどはしなかったが、顔色も酷い有様だし、まだ部活が始まって間もないのに体から汗が大量に噴き出している。
すると、他の場所でも部員が倒れ始める。
「おい、どうしたんだよ!?」
「う゛、頭が・・・。」
部員の半分ほどが地面に倒れ込み、頭痛を訴えるという異様な光景に、Aは思った。
「(これは・・・。呪物の影響?まさか、本体の封印まで解けたとか・・・??いやでも、そんなこと・・・。)」
「お前ら!今日の部活は中止だ!」
と、その時。顧問がこの場に現れ、大きな声でそう告げた。聞けば、他の部活でも頭痛を訴えて倒れる部員が急増しているらしい。
「(呪力にあてられた・・・?くそ、今日にでも呪物を見つけないと危ないのに・・・!!)」
危ないのに、呪力が掴めない___。己の力不足を恥じたその時、Aは確かに小さな呪力をキャッチした。
.
651人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね・・・!小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます!これからも頑張りますね!! (2023年2月27日 22時) (レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です!音のソノ○ティにツボって先に進めません!更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます・・・!!続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします!! (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね!(*`▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:raiz | 作成日時:2023年2月7日 22時